「運輸・倉庫」の景況感、22年12月は横ばいで改善傾向が一服

「運輸・倉庫」の景況感、22年12月は横ばいで改善傾向が一服

帝国データ調査、燃料費や電気料金上昇が影響か

帝国データバンク(TDB)が1月11日公表した2022年12月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が41.6で、11月から横ばいだった。

9月から3カ月続けて改善し、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月(42.6)以来、約3年ぶりの高い水準まで回復していたが、12月は景況感改善が一服した。

コロナ禍の感染拡大を受けた行動規制が緩和され、経済活動の再開が持続しているものの、燃料費や電気料金など運輸・倉庫業の事業に大きな影響を及ぼすコスト上昇が目立っていることが、景況感の改善に冷や水を浴びせているとみられる。

全業種ベースの景気DIは12月が前月比0.1ポイント下がって43.0で5カ月ぶりに悪化した。TDBは今後の景況感について「(日本銀行の)実質利上げの影響や海外経済情勢などに左右されながら、おおむね横ばい傾向で推移するとみられる」と説明、11月の「緩やかな改善傾向で推移するとみられる」からやや見方を慎重にしている。

運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「賃上げが進み、消費者の購買意欲が回復するとみている。これに伴い、クライアントからの発注量も増加すると見込んでいる」(集配利用運送)、「さまざまな経費を販売価格に転嫁しきれず、増収減益になると予想」(一般貨物自動車運送)、「法人税や諸物価高騰、新型コロナウイルス、ウクライナ情勢による消費低迷など、懸念材料が多い」(普通倉庫)といった声が聞かれた。

調査は2022年12月16日から23年1月5日にかけて、全国2万7163社を対象に実施、43.0%の1万1680社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は516社が回答した。

(藤原秀行)

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