エア・ウォーターグループ、「2024年問題」対応へ熊本で低温物流センター新設を発表

エア・ウォーターグループ、「2024年問題」対応へ熊本で低温物流センター新設を発表

24年2月の稼働開始予定、青果物で荷役作業効率化やトラック積載率向上図る

エア・ウォーターは1月17日、グループで物流事業を担う桂通商(京都市)が熊本県玉名市に低温物流センターを建設すると発表した。

3温度帯に対応可能とする計画で、着工は2023年6月、稼働開始は24年2月を予定している。トラックドライバー不足などに起因する「運べない時代」に対応するとともに、コールドチェーンを活用した高付加価値物流を通じて、「地域を起点とする農産流通事業」を推進していきたい考え。

エア・ウォーターグループは成長軸に据えている1つの「ウェルネス」領域で、農産物の調達・加工・販売に至るバリューチェーンと全国をカバーする物流ネットワークを掛け合わせた「地域を起点とする農産流通事業」の実現に注力している。

具体的には、産地から消費地へ至る流通経路において、いつでも安定した量と品質を届けられる仕組みを構築するとともに、その青果の付加価値を向上させるため、青果物流、食品加工、青果販売などへの事業展開を積極的に進めている。

こうした取り組みにより、販路拡大などによる地域農業の振興に加え、規格外農産物の有効活用による廃棄ロス低減、ひいては食料自給率の向上などに貢献することを念頭に置いている。

桂通商は、関西圏に冷蔵倉庫を複数有し、青果物の鮮度を保持した低温保管・輸送を主力の事業として展開している。現在、熊本県を産地とする青果物の輸送は、大型車両による長距離輸送が主軸で、例えば大消費地の関東までの輸送では、走行距離が片道1,100㎞を超え、その長時間運転はドライバーにとって大きな負担となっている。また、荷積み・荷下ろしなどの荷役作業や長時間の待機など対処すべき課題も山積している。

そこで国内有数の農産地の熊本県内に低温物流センターを建設し、県内各地から集荷した青果物を保管、積み合わせを行う共同センターとしての機能を果たすことで、荷役作業の効率化やトラック積載率の向上を図り、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」を見据えた持続可能な青果物輸送に対応する。

また、低温物流センターの整備により、選果後の低温保管による出荷タイミングの調整を可能にするとともに、品目ごとに最適な温度管理を徹底し、青果物の品質維持にも取り組む構え。

さらに、桂通商が有する京都市、兵庫県西脇市、大阪市の自社物流施設でも物流中継拠点としての機能整備を進め、大消費地までの長距離輸送における効率的な輸送とコールドチェーンを駆使した付加価値の高い物流モデルを構築する。

将来はエア・ウォーターグループが有する農産加工の技術や青果小売のネットワークも活用し、熊本県の農業のさらなる発展と消費地への安定した青果物供給に貢献していくことを目指している。

熊本低温物流センターの概要

施設名称 :株式会社桂通商 熊本低温物流センター
所在地  :熊本県玉名市寺田367
敷地面積 :5,804㎡
建設面積 :2,434㎡
温度帯  :5℃~15℃(チルド倉庫、3温度帯で対応可能)
投資額  :約6億円
新規採用 :20名
着工予定 :2023年6月下旬
事業開始 :2024年2月(予定)

(藤原秀行)※写真はプレスリリースより引用

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