高速道路料金の徴収期限延長する法改正案の通常国会提出を正式発表

高速道路料金の徴収期限延長する法改正案の通常国会提出を正式発表

国交省、無料化は事実上棚上げに

国土交通省は1月23日、同日開幕した通常国会に提出する予定の法案の概要を発表した。

この中で、道路整備特別措置法や独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する案を、2月上旬をめどに提出する方針を明らかにした。高速道路料金の徴収期間の満了日延長、高速道路のSA・PAで整備する自動車駐車場の費用貸付制度創設などを盛り込む予定。

橋梁やトンネルなどの設備で深刻な老朽化が進み、対策に要する費用が膨張することが避けられない上、地方エリアで4車線化を進めていることなどもあり、国交省は整備や点検、補修、設備更新のための財源を確保する必要があると判断。現在設定している最長2065年から50年間延長し2115年まで先送りする。

高速道路は法律で、建設費などの借金約40兆円を料金収入で返済し、完済した後は無料化することを定めているが、法改正で事実上、棚上げする。

斉藤哲夫国交相は1月17日の閣議後記者会見で「料金徴収期限を延長するための法律案を来週からの通常国会に提出するべく、準備を進めている」と説明。将来の高速道路無料化が実質的に難しくなっているとの指摘に対しては「引き続き、有識者の御意見も聞きながら、高速道路を持続的に利用するための枠組みについて、検討を進めていきたい」と述べるにとどめていた。

通常国会にはこのほか、経営環境が厳しい地方の鉄道やバスの支援強化を盛り込んだ地域公共交通活性化・再生法改正案を2月上旬に、自然災害の頻発に対応するための気象業務法と水防法の改正案を2月下旬に、北海道・知床半島沖の観光船沈没事故を受け、再発防止策を導入する海上運送法などの改正案と、空家対策を強化する空家等対策推進法の改正案をそれぞれ3月上旬に提出する予定。

(藤原秀行)

政策カテゴリの最新記事