経営戦略と事業執行を明確に分離、BtoB事業の成長目指す
日本郵便は2月15日、傘下で物流事業を手掛けるJPトールロジスティクスとトールエクスプレスジャパンの事業体制を再編すると発表した。
4月1日付でフォワーディングやコントラクト(倉庫関連業務)などを担うJPトールロジスティクスは「JPロジスティクスグループ」、トラック輸送などを展開しているトールエクスプレスジャパンは「JPロジスティクス」にそれぞれ社名変更。
その上で、フォワーディングなどの事業をJPロジスティクスに集約し、JPロジスティクスグループが経営戦略の企画・立案などを担い、その100%子会社としてJPロジスティクスが実際の事業を運営する形に移行する。
経営戦略と事業執行を明確に分離することなどで、環境変化へ迅速に対応できるようにし、需要が見込めるBtoBの物流事業を拡大させたい考え。
再編の概要(プレスリリースより引用)
JPトールロジスティクスは日本郵便とオーストラリアの物流大手トールグループが折半出資で2018年に設立。BtoBの物流を担い、収益向上を図っている。
一方、トールエクスプレスジャパンは中堅路線会社の旧フットワークエクスプレス。08年にトールグループが買収、社名変更した。西日本を中心に特積み輸送のネットワークを展開し、22年3月期の売上高は約540億円に上る。
事業体制を再編することで、両社のアセットやノウハウを融合し、輸送から保管まで包括的に企業物流を手掛けられる体制を拡充したい考え。
トールグループは15年、日本郵政が約6200億円を投じて買収したが、期待していた国際物流の業績は伸びず、17年3月期には約4000億円の減損損失を計上。日本郵便が再建に乗り出していた。事業体制の再編はより日本郵便が主導してBtoB物流を伸ばしていきたいとの思いもあるとみられる。
(藤原秀行)