古河工場での仕掛かり在庫削減や生産リードタイム短縮が評価
日野自動車は3月8日、生産工学・高度生産方式などに関する分野の優れた業績を表彰する第65回大河内賞で「大河内記念生産特賞」を受賞したと発表した。同26日に日本工業倶楽部会館(東京・丸の内)で贈賞式が行われる。日野は同賞関連として2004年に「大河内記念技術賞」を受賞している。
受賞したのは「トラックモジュールフレームおよびロール成形技術を用いた在庫ゼロの順序生産ライン開発」と称する大・中型トラックの生産効率化システム。ユーザーの用途によってさまざまな仕様が求められるトラックは少量多品種生産が中心で効率化が課題となっている。
日野はモジュール化したサイドレールの部材供給から車両完成までを1本でつなぐ順序生産ラインを考案。サイドレール用の可変式ロール成形機を開発し、車両の生産順序に合わせて車型ごとに異なる寸法・形状のサイドレールを1個ずつ生産することを可能にした。成形されたサイドレールは穴加工・自動検査・塗装・組み立ての各工程を経て順序生産される。
可変式ロール成形機 全体
可変式ロール成形機 成形品
粉体塗装
フレーム組立工程
※画像は全て日野自動車ニュースリリースより
16年10月に茨城・古河工場で導入して以来、仕掛かり在庫の大幅削減や生産リードタイムの短縮、防錆性能の向上などで大きな成果を挙げており、こうした点が高く評価され今回の受賞に至ったもの。
(鳥羽俊一)