ヨコレイ、千葉市内で最新鋭の次世代型冷蔵倉庫が竣工

ロボット活用し作業自動化、RFID付きパレットで商品管理効率化も

横浜冷凍（ヨコレイ）は3月1日、千葉市の「ちばリサーチパーク」で新たな物流拠点「ちばリサーチパーク物流センター」が竣工したと発表した。

（ヨコレイ提供）

地上3階建て、収容能力は3万475t。ちばリサーチパークは東関東自動車道の佐倉ICから約6km。都内に加え、圏央道を経由して北関東や東北地区へもアクセス可能な立地で、茨城県の大洗港～北海道間のフェリー貨物の取り扱いも見込める。

同社は既に圏央道沿いで6カ所・計約14万tの冷蔵倉庫を展開している。「ちばリサーチパーク物流センター」が新たに関東地区の東の拠点として加わることで、首都圏から北関東までをカバーする広域物流ネットワークが完成するとみている。

新たな拠点は、省人化・省力化に特化した、地球に優しい最新鋭の次世代型冷蔵倉庫と位置付けており、同社としては初めて作業用ロボットを使用したデバンパレタイズシステム（DPS）を導入。荷降ろし後の貨物運搬からパレットへの積み上げ、フィルム梱包までの一連の作業を自動化する。

同社は新システム採用で従来の半分以下の人員で作業ができるようになると想定している。

また、省エネ化の一環として、同社最大級の太陽光発電システムと大容量リチウムイオン蓄電池を導入し、当社初の「蓄電による冷蔵倉庫の冷却」を実施。停電時も稼働できる自立機能式パワーコンディショナーシステムを取り入れ、平常時だけでなく災害などの非常時も、新拠点で生み出したエネルギーで倉庫内の冷却を継続できると見込む。

併せて、新拠点の社用車にはEV（電気自動車）を採用し、太陽光発電システムと蓄電池を連携させた充電ステーションを設置。災害時には非常用電源として利用可能で、BCP（事業継続計画）対策としても有効と強調している。

事務所は同社初のZEB評価を取得。事務所棟に設置する空調機器や照明設備などの省エネ化で消費電力を従来比50％以上削減するとともに、太陽光発電により50％以上の創エネを実現。建物のエネルギー消費量の収支を実質的にゼロ以下とする計画だ。

新拠点で使用するパレットは全てRFIDタグを埋め込んだパレットを使用。これまで試験的に運用してきたが、新拠点から本格的に導入し、デジタル技術を活用したパレット管理も果たす予定。タグ付きパレットはパレット情報と自社システムで管理しているパレット上の実貨物情報（商品種類個数）を連携させ、商品管理を効率化する構想を立てている。

現地で同日開催した竣工式で、同社の吉川俊雄会長は「来年1月に北海道で竣工する恵庭スマート物流センターで国内設備能力が100 万tを突破するが、創立75周年の節目に現場の各社員の意見から生まれたRFIDやDPSなどを落し込んで設計した次世代型冷蔵倉庫が竣工する意味は大きい」とあいさつした。

〇ちばリサーチパーク物流センターの概要

（藤原秀行）