公取委が適正化へアクションプラン公表、大規模実態調査の意向も表明
公正取引委員会は3月1日、中小企業が取引価格に燃料費や人件費、原材料費といったコスト上昇分を適切に転嫁できるよう後押しする「令和5年(2023年)中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を策定したと発表した。
この中で、コスト上昇分の取引価格への転嫁の必要性を下請け企業などと価格交渉の場で明示的に協議せず、据え置いていることが確認されたとして、昨年12月に実名を公表した佐川急便やトランコム、丸和運輸機関など13の企業・団体に対し、追跡調査を実施することを打ち出した。価格転嫁が確実に進められるかどうかをフォローし、独占禁止法に違反した事例が起きるのを防ぐ。
併せて、荷主企業と物流事業者の取引実態に関して、2022年度に続いて調査をする方針も表明。22年度は荷主3万人、物流事業者4万人を対象に書面調査を実施し、問題があると疑われるケースは企業へ立ち入り調査したが、23年度は立ち入り調査について、22年度を上回る規模で行うと強調しており、法令違反がないかどうかより厳正にチェックしていく姿勢を鮮明にしている。
併せて、取引価格への転嫁に関し、6月をめどに、22年度の22業種・11万社を超える規模で書面調査を行うことなども盛り込んだ。
(藤原秀行)