サイバー基本法の「重要インフラ」に港湾を追加へ

サイバー基本法の「重要インフラ」に港湾を追加へ

名古屋港の攻撃受け、国交省検討委が対策の中間取りまとめ

国土交通省は11月30日、東京・霞が関の同省内で、「コンテナターミナルにおける情報セキュリティ対策等検討委員会」(委員長・小野憲司京都大学経営管理大学院客員教授)の第3回会合を開催した。

事務局の国交省はこれまでの議論を受け、港湾のサイバーセキュリティ強化に向け講じるべき対策を盛り込んだ「中間取りまとめ」を提示、了承を得た。

コンテナターミナルの積み降ろしや搬出入などを一元的に管理するターミナルオペレーションシステム(TOS)の情報セキュリティ対策を国が審査する仕組みの導入を図るよう提言。具体的には、港湾運送事業法を改正し、事業者が港湾運送事業へ参入する際に提出を義務付けている事業計画にTOSの概要や情報セキュリティ確保策を盛り込むようにすることを示した。

また、TOSにトラブルが生じた場合の対応を強化するため、サイバーセキュリティ基本法で、停止すれば国民生活に重大な影響が出るとして重点的に守るよう定める「重要インフラ」に港湾を追加するよう検討することも要請した。

一方、経済安全保障推進法に則り、国が装置や設備を事前審査する「基幹インフラ」に港湾を位置付けるかどうかについては、引き続き慎重に検討するよう求めた。

委員会は今年7月、名古屋港でサイバー攻撃を受けた管理システムがランサムウェア(身代金要求型ウイルス)に感染して障害を起こし、コンテナターミナルのオペレーションが2日以上ストップした件を受け、国交省が設置した。


名古屋港飛島ふ頭南側コンテナターミナルのガントリークレーンとAGV(無人搬送ロボット)(名古屋港管理組合提供)

(藤原秀行、安藤照乃)

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