ジオテクノロジーズが日本初、道路ごとに車の通行量が分かるクラウドサービスを提供開始

ジオテクノロジーズが日本初、道路ごとに車の通行量が分かるクラウドサービスを提供開始

人流データ基に推計し地図上で可視化

カーナビゲーションシステム向けデジタル地図などを取り扱うジオテクノロジーズ(旧インクリメントP)は3月3日、道路単位で車の通行量に関するデータを取得できるクラウドサービス「道路通行量クラウド」を同日、始めたと発表した。

ジオテクノロジーズが独自に蓄積している1日10億件以上の人流データを基に「通行量」を推計する。クラウドから通行量を取得できるAPIサービスは日本初という。

同社が展開している法人向け地図クラウドサービス「MapFanAPI」の新機能として提供。進行方向別に通行量を可視化し、ピンポイント精度で分析可能なほか、指定した期間(1日単位や1カ月単位)で、性別・年代別・時間別の集計が可能。

今回提供するAPIは自動車通行量だが、今後はバージョンアップで歩行者通行量や渋滞情報、リアルタイム人流の提供も目指す。


新宿駅付近の車の通行量のイメージ

人流データの活用シーンには、小売業界の「出退店計画」「需要予測」や自治体の「交通量調査」などが挙げられる。同社でも人流データに関する問い合わせが増加しているという。

その中でも小売業界の出店計画で、新たな出店候補となる土地や物件を評価する際、土地や物件の「目の前にある道路」の通行量や、その属性(年齢・性別)が需要予測に求められている。

人流データは地域エリアのメッシュ単位が主流で、道路単位の通行量を把握することはできず、出店候補地の正確な人流が分からないことや、データベースによる流通であることが多く、その利用にはデータ配信の仕組み構築が必要となり、開発コストが高くなること、データベースの流通では人流データの更新にも開発コストが要することなどが課題として存在してきた。

そこで同社は膨大な位置情報を基にした「人流データ」と、日本全国の精密な「道路データベース」の両方を保有している強みを生かし、道路単位で通行量を取得できるサービスの開発に踏み切った。

課題 解決
メッシュ単位の人流データでは正確な人流が分からない。 ・道路ネットワークデータへ人流データをマッチングさせ、統計処理することで、出店候補地の隣接道路や、特定の交差点に接続する道路など道路単位で人流が把握可能。

・道路単位の正確な自動車通行量及び人流データ属性(年齢、性別)により、売上予測、需要予測精度が向上し、正確な出退店計画の立案や小売店舗オペレーション(人員配置、資材調達)の効率化が可能。

データベースでの流通ではアプリケーションへの組み込み開発コストが高い。 クラウドサービスでデータを配信する仕組みを用意。APIで人流を取得することで、低コストでマッシュアップ可能。
データベースでの流通ではデータ更新にも開発コストがかかる。 クラウドサービスの人流データは当社が定期更新。ユーザーはデータ更新コストを使わず過去データから最新データまでいつでも利用可能。

(藤原秀行)※いずれもジオテクノロジーズ提供

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