国交省が「ASEANスマートコールドチェーン構想」を発表

国交省が「ASEANスマートコールドチェーン構想」を発表

知識の普及啓発や日本の強み生かせる規格・基準導入促進へ

国土交通省は3月8日、日本の高品質で環境に配慮したコールドチェーンをアジアに普及させていくための「ASEAN(東南アジア諸国連合)スマートコールドチェーン構想」のビジョンと戦略を発表した。

経済成長が続くASEANで冷凍・冷蔵食品などの需要が伸びているのを踏まえ、ASEAN10カ国における今後5年間の共通的な取り組みとして策定。その上で「最も力強くコールドチェーン物流を推進すべき重点国としてインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアの5カ国を選定し、わが国関係省庁・機関のそれぞれの政策ツールや支援ツールを有機的に結合させ、日本式コールドチェーン物流を戦略的に展開していく」との方針を示している。

コールドチェーンを必要とする高付加価値の貨物需要をASEANで創出することや、日本の冷凍・冷蔵倉庫事業者らが進出するのを支援することなど4点をビジョンに設定。

達成するための戦略として、コールドチェーンに関する一般的な知識の普及啓発、日本からの生鮮食品輸出拡大、イスラム教の戒律に沿った「ハラル」の貨物の適正な取り扱いに関する情報取得などを進めることを打ち出した。

併せて、日本の事業者の強みを反映したコールドチェーンの物流に関する規格や基準の導入促進、現地での電力の安定供給に不可欠なインフラ整備支援、日本と現地の事業者が商談する機会の創出なども列挙した。

(藤原秀行)

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