品質検査せず外装箱つぶれ理由に返品なども、総額1366万円
公正取引委員会は3月17日、「カルディコーヒーファーム」ブランドでコーヒーや輸入食材などの販売を手掛ける実店舗とオンラインストアを運営しているキャメル珈琲(東京都世田谷区代田)に対し、下請け法違反の行為が見られたとして、同日付で再発防止を勧告したと発表した。下請け法で禁じている不当な下請け代金の減額や取引先への返品などがあったことを確認したという。
公取委などによると、キャメル珈琲は2021年5月~22年12月の間、オンラインストアで販売した商品の下請け代金を下請け事業者に支払う際、正当な理由なく「センターフィー」を下請け代金から差し引いていた。減額は58の下請け事業者でトータル748万4506円に上った。
センターフィーは物流拠点から実店舗までの商品納入に要した費用として徴収していたが、実際には店舗への納入作業がないオンラインストアの分もセンターフィーの対象に含めていたという。
また、下請け事業者から販売する商品を受け取った後、品質検査を行っていないにもかかわらず、当該商品の外装箱がつぶれていることなどを瑕疵と主張し、21年5月~22年7月までの間、当該商品を下請け事業者に引き取らせていた。返品した商品の下請け代金相当額は49の下請け事業者で総額305万3210円に達した。
さらに、返品の際に生じる人件費や保管費といった諸経費の一部を確保するため、下請け事業者から「契約不適合商品処理負担金」の名目で費用を出させ、21年5月~22年7月までの間、下請事業者の利益を不当に害していた。提供させた金額は46の下請け事業者から総額313万160円となった。
キャメル珈琲は公取委から指摘された行為で生じた下請け代金減額などの分約1366万円を返金する手続きを取っているという。
キャメル珈琲は3月17日、自社ホームページで「この度の勧告を真摯に受け止め、勧告内容を役員及び全従業員に周知徹底を図るとともに、下請法遵守に関する社内研修を実施する等必要な措置を講じ、再発防止に努める所存です」とのコメントを発表した。
(藤原秀行)