サプライチェーンの複雑化に対応、業務プロセス一本化でレジリエンス向上寄与
貿易情報の一元管理システムを手掛けるSTANDAGE(スタンデージ)は4月10日、山九と共同で、製造業向けに製造部品の調達業務効率化を実現する新サービス「ロジファイ」の提供を開始したと発表した。
STANDAGEのデジタル技術と山九のロジスティクス機能を掛け合わせ、製造業の部品発注や在庫管理、仕入れ先との決済に至るまで、調達業務フローを効率化するとともに、棚卸資産のオフバランスや資金繰り改善にも寄与すると見込む。
両社は2020年3月、資本・業務提携を開始。製造業の販路拡大や物流プロセスの効率化など、貿易・物流業務を改善するソリューションの共同開発を進めていた。
新型コロナウイルス感染拡大やロシアのウクライナ侵攻でグローバルのサプライチェーンの混乱が頻発し、運営が複雑化・多様化していることに対応する。
製造業における調達では、発注・物流・決済といった業務をそれぞれ個別の手法やシステムで管理することが常態化しており、プロセスが進むごとに個別の作業や対応が発生、調達業務を煩雑にしていた。両社の新サービスで、こうした状況を打開することを狙う。
異なる業務プロセスの窓口を一本化し、一括で請負・管理できるスキームを両社で構築。大手金融機関各社とも協力し、部品調達の際に必要な資金のタイムリーな調達も実現する。
サービス提供開始以前の実証では、調達手数料50%、調達作業時間70%の削減に成功したという。
(STANDAGE提供)
■サービス内容
①調達業務の代行:部品発注業務、物流・在庫の管理
②ファイナンスサービスの提供:仕入れ先との決済代行、部品在庫のオフバランス
■各社の役割
スタンデージ:輸出入業者として貿易必要書類の手配および決済業務(自社開発システム活用)
山九:輸出入通関業務、保管および輸送にかかる一切の業務
提携金融機関:トレードファイナンス(債権譲渡契約)によるユーザンスの提供
(藤原秀行)