402億円でスタート、将来は1000億円に拡大目指す
三菱商事は4月11日、傘下で企業投資ファンド運営の丸の内キャピタルが、新たに日本企業をメーンの対象に据え、過半出資するバイアウト投資を手掛ける「丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合」を組成、国内外の投資家各社から総額402億円の出資を受け、ファーストクローズを完了したと発表した。
今後さらに投資家を募集、資産規模を1000億円規模へ拡大することを目指している。対象の領域は業務のデジタル化や物流の効率化などを手掛ける企業になるとみられる。
2008年に運用を開始した丸の内キャピタル第一号投資事業有限責任組合(1号ファンド)は高級スーパーの成城石井やホームセンターを運営するジョイフル本田など、16年に運用をスタートした丸の内キャピタル第二号投資事業有限責任組合(2号ファンド)はクイーンズ伊勢丹を運営するエムアイフードスタイル、コインランドリー運営や真空包装機製造のTOSEIなどへの投資をそれぞれ手掛けてきた。
国内のバイアウト市場は後継者不在や新型コロナウイルスの影響による経営難などを背景に、事業承継のニーズが依然強いのに加え、上場企業によるノンコア事業や子会社売却(カーブアウト)の件数も大きく増加している。
そうした状況を踏まえ、1号ファンドや2号ファンドの後継となる新ファンドは、これまでの運用を通じて得た知見を基に、三菱商事の持つ総合力も活用しながら投資を進める。
【丸の内キャピタルの概要】
商号
|
株式会社丸の内キャピタル
|
代表者
|
代表取締役社長 藤田正敦
|
運営ファンド
|
丸の内キャピタル第二号投資事業有限責任組合
丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合
|
資本金
|
2億5千万円
|
株主構成
|
三菱商事株式会社 100%
|
主な事業内容
|
投資事業有限責任組合財産の管理・運営および助言業務
|
名称
|
丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合
|
設立時期
|
2023年3月
|
出資約束金総額
|
設立当初402億円
|
無限責任組合員(GP)
|
株式会社丸の内キャピタル
|
【本ファンドのスキーム図】
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用