JAL、13年ぶりに貨物専用機導入へ

JAL、13年ぶりに貨物専用機導入へ

物流企業との連携強化、国際線展開などで安定的な収益確保目指す

日本航空(JAL)は5月2日、ボーイング767-300ER型機の貨物専用機(フレイター)を3機導入すると発表した。

JALが自社で貨物専用機を運航するのは経営危機に陥って全て手放した2010年以来、13年ぶり。23年度末から順次運航を開始する予定。

JALは経営悪化からの再建を図るため、需要変動が大きい航空貨物事業は旅客機の貨物スペース(ベリー)に加え、需要に応じて他社フレイターをチャーター運航する柔軟な事業運営に移行。確実かつ効率的に収益の確保に努めてきた。

貨物郵便事業をさらに成長させるため、自社によるフレイター運航再開に踏み切る。

フレイター導入では、新たなビジネスモデルを構築し、安定的かつ成長性の高い需要を確保することを目指す。また、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」に起因する物流ニーズを考慮して航空輸送力を拡充、物流を軸とした社会課題の解決に寄与することも狙う。

新たなビジネスモデルによる安定的な需要の取り込みとして、具体的には物流企業と連携を強化し、国内外のeコマース・宅配など今後も高い成長が着実に見込まれる貨物の取り込みを図るとともに、2024年問題に対応して安定的な長距離輸送を実現する。

加えて、国際線と国内線のハイブリッド運航で機材稼働率を向上させ、収益性を確保することも想定。23年度末から東アジアを中心とした国際線の運航を開始するほか、将来は国内線でも運航して貨物搭載率の最大化を目指す。顧客ニーズに応じてチャーター・臨時便を柔軟に設定することも念頭に置いている。

【フレイター諸元】(JALが保有するボーイング767-300ER型機を改修)


※記載のULD台数は組み合わせの一例

(藤原秀行)※いずれもJAL提供

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