服部社長「業界全体で課題解決目指す」
日本アクセスは5月24日、東京都内の本社でメディア向けに2023年3月期の決算説明会を開催した。
4月に就任した服部真也社長は、成長の柱としてEC拡大と情報卸事業モデルの確立、商品開発強化とフルライン機能の促進などを列挙。物流効率化のための省人化・省力化とマテハン設備導入の推進に取り組む姿勢を強調した。
また、トラックドライバーの長時間労働規制が強化され、物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応として、パレット化を促進し手荷役を解消することで納品業務などの効率化を図る物流拠点「フローズンマザーセンター」の全国展開に引き続き取り組んでいく方針を示した。
フローズンマザーセンターの稼働により、荷降ろしの作業時間が平均30分に短縮し、作業生産性は3倍に高まるといった成果が得られているという。
会見する服部社長
24年3月期の経営計画は、連結売上高が前期比3.3%増の2兆2770億円、経常利益は0.4%増の262億円、当期純利益は2.2%増の178億円を見込んでいると説明した。販管費が約98億円、電気代が約12億円膨れるものの、チルドやフローズンの商品取り扱い拡大による増収、業務効率化などでカバーする。
会見で服部社長は、24年3月期の業績予想が堅めの内容となっていることに関し「まずは足元を固めること。今までと同じことをやるのではなく、新しいことを始める1年。購買行動が変化している中で、いかに変化に合わせたビジネスモデルを作るかということが重要。そういった意味ではECや情報卸といった新規事業や、フルライン卸に注力していきたい」との決意を示した。
フローズンマザーセンターの全国展開に関し、納品時の手積みなどがドライバーの長時間待機の要因となり、作業時間も2時間程度発生していることが課題で、パレットサイズも標準化されていないと指摘。「フローズン業界全体でパレチゼーション導入をして課題解決を目指す」と語った。
宇佐美文俊取締役専務執行役員は「実態としてフローズン業界の待機時間や手積み手降ろしの非効率さが問題となっている。全国の各エリアに確立することでメーカーの負担も減ると考えている」と狙いを説明した。
(安藤照乃、藤原秀行)