改正海上運送法で創設、外航海運向け船舶確保を促進
政府は5月30日の閣議で、今年4月に成立した改正海上運送法など関連法令のうち、国際貨物海上輸送の安定化策に関する部分を、今年の7月1日に施行することを盛り込んだ政令を決定した。
日本の船主が保有する外航海運向け船舶を確保できるよう、国土交通大臣が基本方針を策定した上で、対外船舶貸渡業者や対外船舶運航事業者らが外航海運向け船舶の確保に関する目標などを盛り込んだ計画を作成、国の基本方針に適合すれば国交相が認定する「外航船舶確保等計画制度」を立ち上げるのが柱。
国交省は日本の商船隊で日本船主の保有船舶が占める割合を2021年の74.6%から25年には75.5%以上まで高めることを目標として打ち出している。安定確保へ官民連携して取り組める体制を構築する。認定を受けた事業者には国が財政面などで支援することを準備している。
閣議では併せて、改正海上運送法や改正船員法、改正船舶職員・小型船舶操縦者法のうち、国交省が出す安全確保命令に違反した旅客船舶運航事業者に懲役刑を導入することなどを定めた部分について、今年6月11日に施行する政令も決定した。昨年4月に起きた北海道の知床遊覧船事故を受け、旅客輸送の安全規制を強化するのが狙い。
(藤原秀行)