国交省有識者懇談会が議論の中間取りまとめで提案
国土交通省は3月14日、必要に応じてバスやタクシーなど複数の移動手段を組み合わせる次世代サービス「日本版MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス=移動手段のサービス化)」実現に向けた方策を協議する「都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会」(座長・石田東生筑波大特命教授)を開催し、議論の中間取りまとめを決定した。
海外で先行して取り組みが進められているMaaSを「出発地から目的地まで、利用者にとっての最適経路を提示するとともに、複数の交通手段やその他のサービスを含め、一括して提供するサービス」と定義。
日本版MaaSを推進する意義として「人々の外出や旅行など移動に対する抵抗感が低下することで、移動・交流意欲が高まり、健康が増進され、町や地域全体も活性化し、豊かな生活が実現する」と説明している。
その上で、日本版MaaSの在り方として、地域特性に応じて
①大都市型
②大都市近郊型
③地方都市型
④地方郊外・過疎地型
⑤観光地型
――の5つの類型に分け、それぞれ取り組むべき方向性を打ち出した。
この中で、「大都市近郊型」「地方都市型」「地方郊外・過疎地型」について、移動サービスに物流サービスを連携させることも視野に入れる方向性を提案した。一例として、バスやタクシーの空きスペースで荷物を運ぶ「貨客混載」を挙げた。
また、「観光地型」では観光客の手荷物配送サービスの統合を盛り込んだ。
国交省は今後、5類型それぞれに1~2カ所で複数年にわたり実験を行い、移動手段間の情報共有など普及に向けた課題の解決を図りたい考え。
MaaSは、海外では移動したいルートを検索すると公共交通や自動車、自転車、徒歩などの移動手段を組み合わせた複数の候補を提示するサービスが進められている。
中間取りまとめを策定した懇談会
(藤原秀行)