千葉・八街の小学生死傷事故から2年、飲酒運転撲滅目指す改正条例が施行

千葉・八街の小学生死傷事故から2年、飲酒運転撲滅目指す改正条例が施行

飲食店への罰則など新設、対応強化

2021年に千葉県八街市で集団下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、5人が死傷した事故の発生からちょうど2年が経過した6月28日、飲酒運転の撲滅を目指す千葉県の改正条例が施行された。

事故を受け、22年1月に施行の既存条例を改正。新たに飲食店に対し、酒を出した客が飲酒運転で検挙された場合に飲酒運転防止の措置を講じるよう義務付け、県知事からの指示に従わない場合は店名を公表するとともに指示書を店内に掲示するよう命じ、掲示しない場合は5万円以下の過料を徴収することを定めた。飲食店がより飲酒運転防止に取り組むよう後押しする。

都道府県の条例で飲酒運転防止をめぐり飲食店への罰則規定を設けているのは珍しく、全国で3県目という。

併せて、通勤時に従業員が飲酒運転で検挙された企業に対しても、従業員へのアルコールチェックや教育・指導などを実施する義務を科している。従来は努力規定だったが、より対応を強化した。ドライバーが飲酒運転で検挙されると勤務先に通知することを明記し、飲酒運転への抑止力とすることも狙っている。

事故を受け、政府も規制強化に乗り出している。自社の従業員や荷物を運ぶ「白ナンバー」の車両を使っている事業者のうち一定条件を満たす場合にアルコール検知器を用いて運転前後にドライバーの飲酒検査を行うよう義務付ける道路交通法施行規則の改正を、12月1日に施行する方向で準備を進めている。

八街市で事故を起こしたドライバーが「白ナンバー」だった点を重く見て、有償で荷物を運ぶ「緑ナンバー」に加えて「白ナンバー」への安全規制を強化する。


条例改正を周知する県のパンフレット

(藤原秀行)

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