センコーGHD、PBR1倍超維持へ配当性向40%など目標

センコーGHD、PBR1倍超維持へ配当性向40%など目標

東証の要請踏まえ経営方針公表、現中計期間中に対応

センコーグループホールディングス(GHD)は6月28日、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する東京証券取引所の要請を踏まえ、2022年度を初年度とする5カ年の中期経営計画期間における資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた現状の評価と方針・目標、取り組み・実施時期を公表した。

センコーGHDの自己資本当期純利益率(ROE)はおおむね10%以上の水準で推移しており、株主の負託に応える資本効率を達成していると自身を評価。一方で、1株当たり純資産が増加しているのに対し、ここ数年、株価が伸び悩んでいることにより、株価純資産倍率(PBR)は緩やかに低下する傾向にあると指摘した。

また、配当金は親会社株主に帰属する当期純利益の継続的増加に合わせて中長期的に増配傾向にあり、配当性向はおおむね30%を超える水準で安定的に推移していると説明。センコーGHDは「当社ではPBRが低下傾向にある理由は、営業利益率の向上が緩やかである点や株主還元方針が抽象的である点、成長戦略に関して株主や投資家の理解を十分に得られていない点などが影響しているものと評価している」との見方を示した。

項目 単位 2019/3期 2020/3期 2021/3期 2022/3期 2023/3期
ROE 10.1 9.9 11 10.8 10
1株当たり純資産 785.08 823.61 909.55 985.67 1,075.69
株価 ※1 919 838 1,048 898 945
PBR ※2 1.17 1.02 1.15 0.91 0.88
営業利益率 3.7 3.6 3.8 4 3.7
自己資本比率 35 35.1 30.9 30.5 27.6
配当性向 33.8 32.7 29.8 32.7 33

※1 株価は各期3月末日終値を指す
※2 PBR=各期末株価/各期末1株当たり純資産

現状を踏まえ、センコーGHDは「株主や投資家の皆様から当社の成長性を適切に評価していただくことを基本的な方針とし、これによりPBRが1倍を上回る水準とすることを目標にする」との決意を表明。

具体的な取り組みとして、中計が終わる27年3月末までに、以下のような方策を進め、資本コストや株価を意識した経営の実現に取り組むと強調している。

(1)営業利益率の向上
計画公表通り、中計最終年度の27年3月期に営業収益1兆円、営業利益450億円、営業利益率4.5%(22年3月期比0.5ポイント増)を目指す。

(2)株主還元水準の維持・向上
将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株主の皆様への利益還元を充実させるため、安定配当に加え、業績連動を考慮した配当を実施することを利益配分に関する基本方針に設定している。同方針を原則としつつ、本中計最終年度の27年3月期までに、配当性向40%を目指す。

(3)成長戦略の詳細説明
競争力の源泉やこれまで実施したM&Aの成果など、各種説明会を通じて詳細にご説明し、株主・投資家に成長戦略への理解を深めてもらう機会をさらに増やす。

(藤原秀行)

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