今後10年対象のデジタル技術全国総合整備計画、23年度末めどに閣議決定へ

今後10年対象のデジタル技術全国総合整備計画、23年度末めどに閣議決定へ

官民の検討会議で議論開始、自動運転専用レーンやドローン航路設定など推進

政府は6月28日、岸田文雄首相が注力している、先進的なデジタル技術を活用して経済成長を実現する「デジタル田園都市国家構想」に基づき、「デジタルライフライン全国総合整備会議」の初会合を開催した。

同会議は西村康彦経済産業相が議長を務め、関係省庁や企業、自治体、学識者らが参加。物流現場の人手不足や災害の激甚化などの社会課題解決に向け、2023年度末ごろをめどに、今後10年程度を対象に自動運転やドローン、AIなどを全国に広めていく「デジタルライフライン全国総合整備計画」を取りまとめ、閣議決定する。

初会合では、会議の事務局を務める経産省などが、整備計画を検討する上で重視すべき論点などを提示。この中、政府が今年3月に開いた、関係閣僚による「デジタル田園都市国家構想実現会議」でも示した通り、2024年度に新東名高速道路の一部区間などで100km以上の自動運転車用レーンを設定し自動運転トラックの運行実現を後押ししたり、送配電網などの既存インフラを活用し埼玉県の秩父エリアなどで150km以上のドローン航路を設定したりすることをあらためて説明した。

ドローン航路設定に関しては、物流向けのものはまず中山間地域に設定し、将来は郊外都市に広げていく流れを想定すると説明。

自動運転については、2025年度までに全国50カ所、27年度までに100カ所で自動運転車による移動サービスを提供できるようにすることなどを提示するとともに、幹線輸送から始めて長期的には拠点間輸送にも普及させていくシナリオを提案した。24年度から設定する専用レーンは第1通行帯を軸に検討を進めることも打ち出した。

整備計画ではこのほか、電力やガスといった社会インフラの管理業務のDX化についても示していくことを提案した。

(藤原秀行)

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