【現地取材・動画】タイミーとプロロジス、“スポットワーカー”向けに無料フォークリフト免許取得プログラム開催

【現地取材・動画】タイミーとプロロジス、“スポットワーカー”向けに無料フォークリフト免許取得プログラム開催

「2024年問題」対応後押しも

プロロジスグループで人材育成などを手掛けるプロロジス財団と、物流などの単発バイトをマッチングするアプリ「タイミー」を展開しているタイミーは6月26~30日、タイミーの利用者向けに、未経験者でもフォークリフトの運転免許が取得できる無料の共同教育プログラム「フォークリフト運転技能講習」を開催した。

講習はプロロジスが提携している埼玉県伊奈町のフォークリフト教育センターで開催、18人が参加した。当日はフォークリフト教習事業を展開するジャパンクリエイトが講師を務めた。

プロロジスとタイミーは6月30日、講習の様子をメディアに公開した。この日は9人の受講者が最後の教習と認定試験に臨み、見事無事全員が合格。最大荷重1t以上を含め全てのフォークリフトの操作が可能になる「フォークリフト運転技能講習修了証」を勝ち取った。

プロロジスとタイミーは、スポットで働く人にも技能を身に付けることで活躍の場を広げてもらいたい考え。併せて、物流現場の人手不足解消にもつながるとみており、共同教育プログラムを拡充する方針だ。

タイミーは教育プログラムを持続させ、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」の解決にもつなげていきたいと意気込んでいる。


技能講習の様子

研修は普通免許を持っている受講者は全31時間、普通免許を持っていない受講者は全35時間、それぞれフォークリフトの運転実技と安全教育や基礎知識などの座学講習を受けた。全講習のうち24時間が実技で、普通免許を持っていない受講者は4時間分座学が長い設定だった。

倉庫内に約10m×3mの運転コースを作り、その中で受講者1人と教習者1人がペアを組んで運転の実技に参加。他の受講者は同倉庫内のスペースから運転の様子を見学した。運転コースではフォークリフトへの乗り方から、運転の仕方、パレットを持ち上げて移動させ指定の場所に置くところまで繰り返し練習を行った。


講習の様子

講習会後、取材に応じたタイミーPA部の川村愛基氏は、フォークリフトの資格取得プログラムを開催した理由として、新型コロナウイルス禍を経て物流の求人が増加し、フォークリフトの有資格者に来てほしいという企業の声が多かったことと、プロロジスの協力を得られたことがあると説明。

アプリのタイミーで事前に「フォークリフトの資格取得に興味があるか」という趣旨のアンケートを行ったところ、約2万人が取得を希望すると回答したことも紹介、スキルアップへの強い要望があることに言及した。

川村氏は「人手不足は物流業界にとどまらないので、今後は保育など、他業界での資格取得も拡大していきたい」と語った。

プロロジス広報室ディレクターの古川志織氏は、昨年企業へヒアリングを行った際、現場の安全確認やビジネスマナーの徹底については自社で実施している物流企業が多かったが、フォークリフトの講習については手薄になっており、フォークリフトの有資格者が足りないという危機感があったと指摘。「ピッキングもできるしフォークリフトも動かせる、という人材が増えることが喜ばしい」と述べた。

講習の現場責任者を務めたジャパンクリエイトの松尾友氏は「ここ数年ではフォークリフト運転技能講習の受講者は増えている。女性が扱える業務が増えていることや、トラックドライバーの女性割合が微増していることから、フォークリフト講習も女性の割合が高まっている」と説明。講習者や受講者は数日間の講習の中で段々と打ち解けていき、最終的には協力し合ったりするなど、雰囲気が良かったと振り返った。


(左から)ジャパンクリエイト・松尾氏、プロロジス・古川氏、タイミー・川村氏

受講者のうち、20代の男性は「今後転職する時にも資格があると便利だと思う。仕事を探すときに役立てたい」とコメント。以前はトラックドライバーをしていたという50代の男性は「フォークリフトを扱う求人は時給も良いし、免許があることで求人の幅が広がるので早速働きたいと思っている。長い目で見ると(資格を)取った方が良いと思った」とキャリアアップに意欲を見せた。


修了証を受け取る参加者

(安藤照乃、藤原秀行)

雇用/人材カテゴリの最新記事