自動車運搬船に続きバルクキャリア向けも、24年春以降納入へ
三菱重工業グループの三菱造船は7月13日、舶用高圧式二元燃料エンジン向けのLNG(液化天然ガス)燃料ガス供給システム「FGSS(Fuel Gas Supply System)」を、今治造船から新たに12基受注したと発表した。
FGSSは今治造船グループで建造するLNG燃料自動車運搬船9隻とLNG燃料バルクキャリア3隻向けで、2024年春から順次納入される予定。
今回受注したFGSSは、省スペースかつメンテナンス性に優れた機器モジュール設計によるカーゴスペースの最適設計、造船所での建造工程短縮、顧客の要望に応じてカスタマイズ可能な独自の制御装置の採用などにより、優れた操作性と安全性の両立に寄与すると見込む。
三菱造船はLNG燃料自動車運搬船向けFGSSを同グループから2021年に受注しており、LNG燃料バルクキャリア向けFGSSの受注は今回が初めて。今回の受注で、納入済みの2基を含め、計18基(自動車運搬船15隻、バルクキャリア3隻)のFGSSを今治造船へ納入する。
今回FGSSの搭載が決まったLNG燃料自動車運搬船向けには、今治造船が同社の西多度津事業部で製造中のLNG燃料タンクを採用する予定。三菱造船は、今治造船のLNG燃料タンク製造についてもサポートしている。
LNG燃料タンク
三菱造船は、三菱重工グループが戦略的に取り組むエナジートランジションの一環として、LNG燃料船の建造に携わる顧客向けにFGSSを広く提供し、船舶の付加価値ならびに競争力を向上させることを目指している。LNG燃料船の普及による温室効果ガス排出削減の一助となることで、海洋システムインテグレーターとして海事業界における脱炭素化を推進し、カーボンニュートラル実現に尽力するとともに世界規模での環境負荷低減に貢献したい考え。
(藤原秀行)※いずれも三菱造船提供