谷口社長ら、工場や倉庫の作業全体最適貢献に自信
ZMPは7月20日、東京都内のお茶の水女子大学で開催した、自社の先進技術を紹介するイベント「ZMP World 2023」で、無人自動フォークリフト「CarriRo Fork(キャリロフォーク)」の取り組みを報告した。
同社の谷口恒社長らは、無人自動フォークリフトでオプションとして、荷物の段積みや段ばらしの作業を可能にしているほか、今後は2024年をめどに、積み重ねられた荷物の間を自動で移動できる「パレット多層段積みゾーン走行機能」を実装させる計画を明らかにした。
併せて、自社で開発した、多様なロボットを同時に効率良く運行させるオペレーションシステム「ROBO-HI(ロボハイ)」と無人自動フォークリフトを連携させることで、工場や倉庫内のエレベーターに自動で乗り込み、異なるフロアを行き来するなど、現場作業の全体最適を実現できる点を広くアピールしていきたいと意気込みを示した。
お茶の水女子大学内で展示したZMP製の自動運転フォークリフト
ZMPは同日、自動運転フォークリフトの新たなモデルを公表。従来製品よりスピードを約2割早め、オプション機能として段積みや段晴らしに対応できるようにしたことなどを説明した。
谷口社長は「いろんなAGV(無人搬送ロボット)が4~5年前から(物流現場に)入っているが、もうリースを終えて返却しているところも結構ある。ロボットを入れた部分だけ見ると(業務の)効率が上がっているように見えるが、前後の工程がボトルネックになっていてトータルで見るとそんなに生産性が上がっていないことに最近、物流業界で先行して導入されているところは気づかれている」と指摘。
「無人自動フォークリフトとROBO-HIを組み合わせることで、部分最適ではなく工場や倉庫の作業全体を最適化する」と狙いを強調した。
西村明浩取締役ロボセールス&ソリューション事業部長は「無人自動フォークリフトは非常に引き合いが増えている。他社も含めて、かなりラインアップが増えてきたので、お客様もそろそろ買えるものになってきたのかなと思う」と説明。
「培ってきた自動運転の技術を入れており、信頼性がわれわれの強みだと思っている。(ROBO-HIを使い)クラウドでコントロールできるし、エレベーターや自動倉庫などインフラとも連携ができるのが大きなポイント。1つのエリアで複数台オペレーションすることが多くなってくるので、効率的に回していくことが可能になる」と語った。
(藤原秀行)