当日は機関長乗船せず
国土交通省中部運輸局は8月3日、今年2月に愛媛県今治市沖で発生した貨物船の衝突事故に関し、衝突した貨物船を運航していた「盛徳海運建設」(三重県鳥羽市)が法律で定める安全管理規定に違反していたとして、内航海運業法に基づき、輸送安全確保命令を出した。
中部運輸局などによると、事故は2月2日、今治市沖の来島海峡で発生。盛徳海運建設が運航していた貨物船「せいりゅう」と、今治市の貨物船「幸栄丸」が衝突した。この事故でせいりゅうは転覆、沈没し、船長が死亡したほか、1等航海士1人が行方不明となっている。
中部運輸局が盛徳海運建設を検査した結果、事故当日は機関長がせいりゅうに乗り込んでおらず、船舶職員・小型船舶操縦者法で定める基準に違反していたことが判明した。
中部運輸局は盛徳海運建設に対し、再発防止策の策定や乗組員の労働時間適正化など7項目について、9月2日までに取り組む内容を文書で報告するよう命じた。
(藤原秀行)