ドローン「レベル4」実現、運航事業者の認定制度整備が必要

ドローン「レベル4」実現、運航事業者の認定制度整備が必要

三菱総研・ネアントロ研究員が解説

三菱総合研究所は6月13日、ドローンが有人地帯上空を目視外飛行する「レベル4」の実現に向けた課題に関する記者説明会を開催した。

同研究所フロンティア・テクノロジー本部次世代テクノロジーグループのサーヴェドラ・ネアントロ研究員は、昨年12月に政府がレベル4を解禁したことを受け、日本は操縦のライセンス制度など各種法制度の整備を進めており、ドローンを使った物流などの事業を始めやすい環境が整いつつあるとの見解を表明。同時に、法制度に準じた機体の開発や操縦士の養成がまだ追いついていない点を指摘した。

さらに、レベル4促進のための制度整備面での課題として、「運航管理サービス提供者やドローンオペレーターの事業認定制度などが残っている」と解説。事業者が安全運航することが可能かどうかを政府が認証していく制度の整備を要望した。


説明するネアントロ研究員

機体開発や事業化で米国に遅れ

ネアントロ研究員は、レベル4解禁と合わせて、政府が機体の認証制度などを整備してきたほか、業界団体も運航ルールの策定を図ってきたことを評価。

同時に、6月時点でまだ実際のレベル4飛行が今年3月に日本郵便などが東京・奥多摩町で実施した1件にとどまっていることや、機体の量産に不可欠な型式認証を得たレベル4対応のドローンは1機種、申請中のものも1機種と限定的な動きにとどまっていることに触れた。

海外の動向として、米国で小売り大手のウォルマートがドローン配送の実現を図っていることなどに言及。欧米や中国と比較して、日本は特に第三者上空飛行に特化したライセンスを整備している点、パフォーマンスベースの制度を整備している点が特徴的と解説した上で、機体開発や事業化の観点では米国に遅れを取っているとの見方を示した。

米国に関しては「(ドローンの離着陸に)利用可能な敷地の面積が大きい上、民間人が航空操縦免許を取得しているなど航空のリソースが充実しており、そもそもドローンの利用が容易な土壌がある」と強調。対して、日本は国土が狭い上に、電線が張り巡らされて上空で接触するリスクもあることなどから、米国ほど容易な環境にないと語った。

その上で、国内でレベル4飛行を普及させていく上では、万が一機体にトラブルが発生した際、パラシュート搭載など落下対策の検討課題が多いことや、ドローンを遠隔操縦できるようにするためのシステムを確立することなどなどを求めた。


今年3月、東京・奥多摩町で日本郵便などが実施した国内初の「レベル4」デモ飛行の様子

(安藤照乃、藤原秀行)

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