物流ネットワークなど有効活用、新たな事業成長図る
ヤマタネは8月29日、業務用食品の卸売事業を手掛けるショクカイ(東京都台東区東上野)を買収すると発表した。
ショクカイの全株式を10月2日付で、丸紅系のアイ・シグマ・パートナーズが組成した投資ファンドなどから取得する。現時点で取得額は諸手続きの費用も含めて約69億4600万円を見込む。
ヤマタネは現行の長期ビジョンで食の安定供給と循環資源に関するソリューションの提供を「チャレンジ領域」と設定。消費者の簡便化志向に対応した加工食品の提供や食品ロスへの対応などを検討してきた。
ショクカイは冷凍食品を中心とした弁当給食向け業務用食品の卸売事業で業界トップシェアを備え、食品メーカーなどと強固な取引関係を構築。顧客ニーズに対応した商品開発力に定評があるほか、効率的な物流ネットワークで価格競争力のある商品を北海道から九州・沖縄まで多くの取引先へ安定的に供給している。
食材の仕入れでは食品ロスの削減に積極的に取り組んでいるほか、周辺領域における事業強化・拡大を目指し、高価格帯商品の開発やデリカ事業の強化、食材宅配事業向けの冷凍弁当・ミールキット向け食材などの取り扱い拡大を図っている。
ヤマタネはショクカイを傘下に収め、同社が全国に展開している販売や物流のネットワークなどのリソースを有効活用し、事業の成長を図る。
ショクカイの2022年12月期の売上高は174億円、営業利益は7億6000万円だった。
(藤原秀行)