30年までにEV充電器30万口整備目標、従来値を2倍に引き上げ

30年までにEV充電器30万口整備目標、従来値を2倍に引き上げ

経産省が指針案公表、10月決定へ

経済産業省は8月29日、EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の普及促進に向け、充電器の整備に関する指針案を公表した。

従来は2030年までに国内で15万口を設置するとの目標を掲げてきたが、指針案は30万口まで引き上げ、より積極的に整備を図る方針を打ち出している。現状では約3万口で、残り10年足らずで10倍まで増やすことになる。

新たな目標の内訳は、高速道路など公共用の急速充電器が3万口、それ以外の商業施設やマンションなどに置く普通充電器が27万口。1基の充電器で複数の充電口を持つ設備が増えているのを受け、目標の単位をそれまでの「基」から「口」に変更している。

また、充電に要する時間を短縮してEVの使い勝手を高めるため、急速充電の平均出力を現在の約40kWから2倍の80kWまで高めることや、充電器全体の総出力を現状の約39万kWから10倍の約400万kWまで伸ばすことも示している。

併せて、高速道路のSA・PAなど充電のニーズが高い場所は、1口当たり90kW以上の高出力の急速充電器を備えることを基本にすると提示。特に需要が多い場所は150kWのものを設置することを盛り込んでいる。

高速道路はこのほか、概ね70km以上の間隔が開かないよう設置することも示している。

他には、充電のビジネスを継続できるよう、充電した電力量に応じた従量制課金を25年度から実現することや、充電器に車両を接続すれば認証や課金ができるようにする「プラグ・アンド・チャージ」方式を広めていくことなどを列挙している。

経産省は9月28日まで一般から意見を募集(パブリックコメント)した上で、10月に正式決定し、充電器メーカーや高速道路運営会社などに取り組みを促していきたい考え。

(藤原秀行)

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