15都県に4時間以内で到達できると想定、広域エリアへの配送中継地としての利用も
日本GLPは9月5日、神奈川県平塚市で延床面積2万7763㎡の物流施設「GLP平塚Ⅲ」が竣工したと発表した。
今年6月に完成した、同敷地内に立地する「GLP平塚Ⅱ」に続く物流施設となる。
「GLP平塚Ⅲ」は自動車用ワイヤーハーネスや電線、ガス機器、空調機器などを手掛ける矢崎グループで物流業務を担っているアロー流通サービス(愛知県豊田市)が1棟借りすることが決定している。
「GLP平塚Ⅲ」外観
「GLP平塚Ⅲ」と「GLP平塚Ⅱ」は平塚市が新たなまちづくりを目指して都市基盤整備を進めるツインシティ大神地区土地区画整理事業施行地区内に建設。同区は新しい産業や都市機能の集積とともに、周辺環境と調和した環境共生モデル都市の形成を念頭に置き、既に他社の物流施設や大型商業施設の開業で広域的な交流連携が促進され、地区の賑わいを創出している。
アロー流通サービスは「GLP平塚Ⅲ」神奈川エリアの配送拠点として活用する予定。
「GLP平塚Ⅲ」は新東名高速道路の厚木南ICから約1.5km、東名高速道路の厚木ICから約3.0kmの場所に位置し、新東名開通で関東や関西、中部地方へのアクセスが向上したエリアに立地。圏央道の延伸で横浜港にも約35分でアクセス可能。
関東全域、福島、新潟、長野、岐阜、愛知、三重など合計15都県に4時間以内で到達できると想定。広域エリアへの配送中継地としての利用にも適しているとみている。
地上4階建てのボックス型で、汎用性の高い設計を採用。「2024年問題」も見据え、24時間無人でも荷物の入出庫が可能な置き配バースを導入し、トラック待機問題の解消、輸送コストの削減と効率化をサポートする。
施設内では庫内窓の設置や、バイオフィリックデザインを意識した緑あふれる内装を施している。「GLP平塚Ⅱ」と敷地を一体化し、トラック車路と乗用車両の動線を共有することで物流オペレーションの効率化を企図している。
太陽光発電設備を設置し、太陽光発電による電力を館内供給するとともにグリーン電力を購入してカーボンフリーを実現。全館LED照明の採用のほか、庫内に人感センサーを導入することで、省電力化とともに電気代コスト削減を後押しする。
環境認証としてGreen Building認証、CASBEE Aランク、BELS、Nearly ZEB認証取得などを取得済み。
敷地外周にグリーンベルト(北側10m、南側5m、計約2万本)を設け、平塚市が推奨する植樹を実施し、ポケットパークの設置など、日常の憩いの場所を提供。屋外階段を利用した緑化壁面などシンボリックな建物外観を実現し、周辺地域との共生・共存を目指し環境的な側面からも配慮している。
BCP面では、30時間以上の非常用発電機を設置し、電力の供給先として荷物用エレベーターも対象とすることで停電などの災害時にも入居企業の止めない物流を実現。ポケットパーク内にかまどベンチを一部設置し、災害時にはかまどとして活用できるようにしている。
■施設写真
「GLP平塚Ⅱ」(右)と「GLP平塚Ⅲ」(左)
ポケットパーク
ツインシティ大神地区 俯瞰(いずれもプレスリリースより引用)
■施設概要
施設名:「GLP平塚Ⅲ」
所在地:神奈川県平塚市大神
敷地面積:13,599.27㎡
延床面積:27,763.38㎡
構造:地上4階建て、耐震鉄骨造
着工:2022年7月
竣工:2023年8月
認証取得:CASBEE A認証、BELS、Nearly ZEB認証
(藤原秀行)