市場成長見込み、物流などの需要獲得図る
三菱ロジスネクストは9月20日、米国子会社のMitsubishi Logisnext Americas（MLA、テキサス州ヒューストン）がドイツの総合物流機器メーカー、ユングハインリッヒと折半出資で設立した合弁会社Rocrich AGV Solutions（ロックリッチAGVソリューションズ）が9月に営業を開始したと発表した。
ロックリッチは北米地域でAGV（無人搬送ロボット）の販売を手掛ける。インターネット通販などの伸長に伴う倉庫スペースの増加、労働力不足と人件費高騰を受け、米国のAGV市場は2022年の6億ドル（約840億円）から27年には12億ドル（約1700億円）と5年間で倍増、急拡大することが見込まれており、ロックリッチを展開して需要を積極的に虜みたい考え。
MLAは北米地域で各種物流機器の生産・販売・サービスを担っており、2005年からユングハンリッヒと協業関係を継続している。今回の新会社の前身となる事業として、19年に合弁会社MCJ Supply Chain Solutions（MCJサプライチェーンソリューションズ）を設立したほか、ユングハインリッヒ製AGVを共同で販売してきた。
MLAは三菱ロジスネクストグループ独自のRocla（ロックラー）ブランドのAGV製品も並行して販売している。Roclaは1942年に設立され、物流機器の製造・販売事業を開始、83年より物流機器分野における自動化ソリューション事業に進出し、2009年に三菱ロジスネクストの欧州グループ会社が買収、傘下に収めたことで、倉庫や物流、製紙、自動車、食品など幅広い業界にAGVを提供できる体制を強化した。
ロックリッチは次世代物流ソリューションを提供するMLAの路線を継承する形で営業をスタート。ユングハインリッヒとRoclaの両ブランドを総合的に取り扱い、標準仕様から特別仕様まで幅広い種類のAGVや自動フォークリフトを提供する。
さらに、今後見込まれる市場の拡大に対応するため、営業やAGV製品の据え付け、アフターサービスなどの各分野で人員を補強する計画。業界を牽引してきた両ブランドが生み出す知恵と専門性を結集し、製品やサービスの一層の拡充を目指す。
ロックリッチはテキサス州ヒュューストンに本社、イリノイ州マレンゴに拠点を置くとともに、MLAが北米地域（米国、メキシコ、カナダ）に構えている約570カ所の販売代理店網を活用し、地域密着による最高レベルのサービス体制確立を目指す。
具体的には、24時間対応のヘルプデスクを含むアフターサービスから、近隣の販売代理店を通じた顧客からの各種問い合わせなどへの迅速な対応、納入製品に対する定期メンテナンスなどに注力する。
（プレスリリースより引用）
（藤原秀行）
