ヒューテックノオリン、モーダルシフトに対応した新たな大型冷凍車両導入

ヒューテックノオリン、モーダルシフトに対応した新たな大型冷凍車両導入

7つの技術導入、脱炭素やCO2削減促進

C&Fロジホールディングスは4月30日、傘下のヒューテックノオリンが新たな大型冷凍車両2台「日野プロフィア COOL Hybrid」を関東支店(埼玉県越谷市)に導入したと発表した。

C&FロジはCO2排出量(Scope1・2)を2030年度に21年度比38%削減、50年度にカーボンニュートラルの達成をそれぞれ目標に掲げている。

新たな大型冷凍車両の採用は「2024年問題」や脱炭素といった物流業界の課題に対応するのが狙い。南関東日野自動車、矢野特殊自動車、システックの3社の協力を得て、7つの技術により、低燃費、積載効率、物流品質の3点を向上させる見込み。

(1) ハイブリッドシステム
車体は回生エネルギーによる電力で冷凍機のコンプレッサーを駆動し、電力に余力がある場合には走行アシストにも寄与。2025年度ディーゼル重量車燃費基準(JH25モード)の目標基準値を満たしている。

(2) ショートキャブ
日野自動車「ショートキャブ」に DENSO の電動冷凍機と矢野特殊自動車の荷台を採用することで、10m3cmのコンテナ内長を確保(積載量約1万2800㎏)。通常の16枚パレット積みよ
り2パレット多い18枚レット積みを可能にした(T11型パレット)。大型車9台分の荷物を8台で運搬できるため、運行数の削減による配送効率向上やCO2削減、冷凍食品のパレット輸送化促進を見込む。

(3) 電動冷凍機
デンソーの電動冷凍機を取り入れ、車速に関係なく冷凍能力が安定し、予冷時間の短縮や、休憩、荷待ちなどエンジン停止時での冷却も可能にした。従来のサブエンジン式冷凍機に比べ、約16t-CO2/年が削減できる見通し。

(4)高性能断熱材
コンテナには矢野特殊自動車の薄型高性能断熱材を使用。通常に比べ前後の厚さが半分でありながら、従来と同様の断熱効果が得られ、かつ積載容積の確保を可能にしている。特にエンジン熱の影響を受けやすい前壁パネルには、真空断熱材を採用した。

(5)エアーサーキュレーション
コンテナ内長が伸びることで庫内の冷却にばらつきが起きたり、冷凍機の吹出口から出た冷気が再び吸い込まれるショートサーキット現象が生じたりして、温度管理の悪化が懸念される。矢野特殊自動車のダクトユニット「エアーサーキュレーションシステム」は冷気の循環を最適化し、輸送品質の向上と、冷凍機の稼働の最適化を実現する。

(6)モーダルシフト対応
車が自走して乗り込める貨物用船舶(RORO船)への搭乗を想定し、フェリー輸送に対応した装置(フック、外部温度計)を装備。モーダルシフトの推進により、ドライバーの労働時間の短縮とCO2排出量の削減に取り組む。

(7)ロジソーラー
コンテナの屋上部には、CIGS薄膜太陽光電池を採用した、システックの移動体太陽光発電システム「ロジソーラー」を装着。太陽光電池で発電した電力を車両バッテリーへ充電し、バッテリーの電圧が低下する頻度や時間を短縮させ、オルタネーターの負担を軽減することで、燃料使用量を削減。傷に強く日陰でも発電可能な軽量、薄膜のフレキシブルパネルを使っている。

今後は新型車両の各機能の効果を測定・検証した上で導入する予定の車両へ展開を検討していくことを念頭に置いている。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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