ロボットやAGVの継続稼働で物流省人化を後押し
TDKは4月11日、無人搬送車(AGV)向けのワイヤレス給電システム「WPX1000」シリーズを開発したと発表した。防塵・防水設計で容量は1キロワットクラス。グループ企業のTDKラムダが4月から受注活動を開始する。
同システムは磁界共鳴方式を採用。給電可能範囲における長辺方向のずれ許容差はプラスマイナス30ミリメートル、コイル間距離は20~40ミリメートルと装置停止範囲の拡大を実現。定電圧・定電流制御(CV-CC制御)によりバッテリーへの直接充電が可能で、シリアル通信(RS-232)を搭載して充電の電圧・電流値など各種情報の取得も行える。
ラインアップはWPX-T1000とWPX-R1000の2タイプで、ユニットのサイズ・重量は前者が405 × 104 × 344ミリメートル、9.4キログラム、後者が217 × 69 × 186ミリメートル、1.6キログラム。
「WPX1000」シリーズ(TDKニュースリリースより)
工場などの生産現場や物流倉庫では作業品質の向上、作業者の安全性確保、24 時間稼働に向けて多様なロボットや AGVを導入した省人化・無人化が進められている。ワイヤレス給電は設備・装置類がこまめに自動充電することで継続的・安定的な稼働を図る電源ツールとして需要が拡大するとみられており、TDKは数年前から同システムの研究開発に取り組んできた。
TDKではWPX1000 を通じて今後増加する中容量タイプのニーズに対応し、製造現場などの省人化・省力化に貢献していきたい考え。
(鳥羽俊一)