商船三井系CVC、英国で「波力発電」などの開発進めるモーシャンに出資

商船三井系CVC、英国で「波力発電」などの開発進めるモーシャンに出資

脱炭素貢献へ相互協力

商船三井グループのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、MOL PLUSは11月13日、英国で波の力を使って電気を生み出す「波力発電」の実用化などに取り組むMocean Energy(モーシャンエナジー)、商船三井グループの欧州・アフリカ地域の統括拠点MOL(Europe Africa)(MOLEA)の2社と、モーシャンが開発している海上オフグリッド(自給自足)電源のソリューションや波力発電装置の社会実装推進、波力発電装置のグローバル輸送や製造販売の支援などの相互協力に向け、覚書を締結したと発表した。

併せて、MOL PLUSはモーシャンへの出資を決めた。モーシャンの先進的なエネルギー開発を後押しし、脱炭素の潮流への貢献を果たすのが狙い。具体的な出資額は開示していない。

モーシャンは波の振動を利用して電力を作り出し、海中の検査・保守機器に電力を供給するデバイス「Blue Star」の販売を、オフショア(海底下に存在する)石油・ガスを開発したり、回収したCO2を地下に貯留したりする企業関係者ら向けに開始。さらに、今後数年内に大規模発電市場向けに、Blue Starの10倍以上の発電量となる「Blue Horizon」を商用化することを目指している。


Blue Starイメージ


Blue Horizonイメージ(いずれもMOL PLUS提供)

MOLEAはモーシャンが持つ波力発電技術の社会実装を支援するため、波力発電装置のグローバル輸送を含むサプライチェーンの構築、また洋上発電事業との協業など商船三井グループでの導入に向け、モーシャンと協議を始める。MOL PLUS はモーシャンが波力エネルギーを活用した脱炭素化や世界の多様なエネルギーミックス(電源構成)の最適化を後押しすることを目指し、同社をファイナンス面で支援、協業を推進していく構え。

(藤原秀行)

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