運行時間は最大3割短縮
デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業の7社は11月17日、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分を脱着できるスワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験を共同で、7月10~14日に静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点とし、関東・関西間で実施したと発表した。
7社はSLOCが物流業界の人手不足や長時間労働といった「2024年問題」の解決に有効な手段の1つであり、CO2排出量を削減し環境負荷低減にもつなげられることを確認したと成果を強調している。
実運用では、ルートや荷量・荷物の種類など様々な条件が、天候や需給によって変動するため、今後はSLOCの社会実装に向けて、手順やルールを標準化するなど安定運用が可能な仕組みへ進化させ、混載・共同輸送にも適応させられるよう、さらに検証を進める。
実証実験のスワップボディコンテナ交換の様子(7社提供9
実証の結果、SLOCを活用しない場合に比べ、ドライバー数を12人から7人に減らせたほか、 運行に要する時間が最大約30%削減(大阪府吹田市~横浜市で17時間から12時間17分に短縮)、ドライバーの労働時間削減に貢献できたと説明。CO2排出量も855tから461tへ46%カットできたという。
運用面に関しても、荷主企業5社と運送協力会社6社による1日6便の運行スケジュールをほぼ計画通り実施できることを確認。使いやすいUI(ユーザーインターフェイス)を取り入れた、デンソー開発によるコンテナ管理システムを採用し、中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーによるコンテナの脱着オペレーションがスムーズに行えたという。
複数荷主による貨物の混載について、荷主間の役割分担・責任区分を明確にし、輸送することができたと指摘している。中継拠点は大和ハウスのマルチテナント型物流施設「DPL坂戸Ⅱ」を利用した。
(藤原秀行)