イスラエル企業が開発、迅速な初期消火可能と期待
商船三井は11月15日、火災の早期検知に向け、現時点で新造発注が決まっていて、2024年以降に順次竣工する予定のLNG(液化天然ガス)燃料自動車船10隻の貨物艙内へカメラとイスラエルのCaptain’s Eye(キャプテンズアイ)が開発したAIシステムを導入すると発表した。
今後は既存船や新たに手配する自動車船への導入も検討する。
Captain’s EyeのAIシステムは、カメラに捉えられた映像をAIが異常と判断した場合、本船上の乗組員と陸上の管理者に警報を発信する。
現在 商船三井の自動車船は火災警報装置(煙検知器)を全船が搭載しているが、本システムの採用でより早い煙検知が可能になると見込む。併せて、本船と陸上の両方から貨物艙の映像を確認できるため、迅速な初期消火作業につながると期待している。
Captain’s EyeのAIシステムは、主に機関室や甲板上での異常を検知するためのシステムとして、海外の商船などが採用している。商船三井はCaptain’s Eyeと共同で自動車船「ONYX ACE(オニキス エース)」に搭載している貨物艙内カメラを用いてAIシステムの煙検知の実証実験を進めてきた。
複数回の実験でAIシステムの機能改善を進め、少量の煙でも検知にも成功するなど有効性を確認できたため、自動車船への同社AIシステムの搭載を決めた。
実験用に出した煙を検知した際のモニター画面(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)