ワールドスキャンプロジェクトが開発中、物流や建設作業の安全性向上など期待
ドローンやセンサーの開発などを行うワールドスキャンプロジェクト(WSP、東京都新宿区西早稲田)は12月4日、開発中の空飛ぶクレーン「スカイクレーン」の試作機が10月30日、千葉県内で飛行テストに成功したと発表した。
WSPは未来の建設インフラ開発の一環として、スカイクレーンの開発に着手。空中を飛ぶことができるクレーンを想定しており、一般のクレーンと同じく人間が操作するが、地上ではなく空中を移動することが可能。
テストフライトで試作機は地上1mの高さまで浮上。機体重量70kgのスカイクレーンが、重さ80kgの荷物を乗せた状態で、7分間にわたって高度を維持しながら、前後左右5~7mの移動に成功した。
WSPは、空飛ぶクレーンは自動化された作業を行うため、通常のクレーンよりも迅速で正確な動作が期待することが可能で、建設プロジェクトの進行スピードが向上し、生産性が高まる可能性があると説明。
さらに、人間が直接作業する必要がなく、高所や危険な場所での作業を行う際に人間の安全性を向上させられると見込む。
他にも、空飛ぶクレーンは地形や障害物に制約されにくいため、従来のクレーンがアクセスしにくい場所でも作業できることや、 離陸・着陸ポイントに1人ずつの合計2人で対応が可能なため、建設プロジェクトの進捗を迅速化できることがメリットと指摘している。
建設現場での空中資機材運搬や貨物船の積荷作業、鉄塔メンテナンス時の資材運搬、離島や過疎地への荷物運搬、被災地への救援物資運搬に使えるとみている。
【スカイクレーン 機体仕様】(2023年11月現在)
機体サイズ:W 2800mm × D 2800mm × H 1100mm
モーター:100V 最大推力 300kgf
バッテリー:100V
機体重量:約70kg
(藤原秀行)※いずれもWSP提供