2024年問題受け、地方企業などの物流管理担う「LLP」の需要拡大

2024年問題受け、地方企業などの物流管理担う「LLP」の需要拡大

ニチレイロジ・梅澤社長が重要性指摘、対応に意欲

ニチレイは12月12日、東京都内の本社で、同社を含むグループ主要事業会社4社の社長会見を開催した。

ニチレイの大櫛顕也社長は今後の経営方針について「素材の調達から生産、販売、流通加工、物流までサプライチェーン全体の機能を担う当社グループにとって、調達や環境は優先度を上げて対応する課題だ」と言明。水産物とパーム油に関する調達のガイドライン策定、太陽光発電設備の導入などを進めていることに触れ、脱炭素やSDGsを重視する潮流に対応していく姿勢を示した。

また、現行の中期経営計画と2030年の長期経営目標の達成に向け「23年度は大事な年だと認識している。経営環境は厳しさを増すばかりだが、ピンチをチャンスに変えていけるよう、スピード感を持った対応を進めていく」と決意を表明。海外事業の拡大へ人材育成に注力していくことにも言及した。

ニチレイロジグループ本社の梅澤一彦社長は、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念される「2024年問題」に関し、各拠点からの貨物を集約する「ゲートウェイ(GW)機能」を持つ物流センターの活用や、荷台部分を切り離せるトレーラーの特性を生かして中継輸送を推進しドライバーを物流拠点の積み下ろし作業から解放する輸配送システム「SULS(サルス)」の拡大などで克服していく考えをあらためて強調。

SULSについては、運航路線の拡大などをさらに進めていく意向を示した。

また、2024年問題に関連し「共同配送でいくつか新しい仕事が始まりそうな状況にある」と解説。併せて、企業から低温物流業務を包括的に担うよう求める声が寄せられていると説明し、3LPよりもさらに踏み込み顧客企業に代わって物流管理の役割を果たす「LLP(Lead Logistics Provider)」としての役割をより広く果たしていくことに意欲を見せた。


会見する大櫛社長

ASEANや欧州で成長図る

梅澤社長は今後の低温物流事業について「国内外の事業環境はより一層不透明さを増しており、非常に難しい環境下での事業運営を迫られると認識している。環境変化を的確にとらえながら、持続的成長を目指していきたい」と説明。子会社のキョクレイの「神戸六甲物流センター」(神戸市)が2024年1月に完成する点に触れ、輸配送基盤の拡充に努めることをアピールした。

併せて、「アジア各国のコールドチェーンのニーズは初進出した10年前と比較してもより高まっている」と指摘。ASEAN(東南アジア諸国連合)や欧州での事業拡大を引き続き図っていくことを明らかにした。24年にはポーランドのワルシャワで冷凍倉庫を新設するほか、ベトナムでも冷蔵倉庫が稼働する予定となっていることなどを引用した。

SULSについては「東名阪の拠点間に加え、今年6月には運航路線を九州まで拡大した。お客様の生産工場や物流センターにも導入していただいた」と成果をPR。「さらに拡充し、持続可能な輸配送基盤の構築を図る」と述べた。

また、「地方に拠点を持たれているOEM(相手先ブランドによる製造)メーカーのように、物流部を持っておらず、本来は営業や生産をやっている方が物流も仕事を見ている企業が(2024年問題で)全く対応できないという事態が間もなくやってくるので、物流のマネジメントから管理、車の手配まで全て任せたいという引き合いが増えている」と解説。

「お困りになっている企業は多い。特に地方で生産基盤を持ちながら全国で販売する企業にとって、2024年問題は相当ハードルが高いと思う。そこにわれわれが持つアセットのネットワークや在庫の機能をどう活用すればいいか、そこにどうSULSを絡めるかご提案することでお役に立てればいいと思っている」と語り、LLPの提供意義を説明した。

会見にはニチレイフーズの竹永雅彦社長、ニチレイフレッシュの田邉弥社長も出席した。


会見する梅澤社長

(藤原秀行)

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