高速SA・PAの駐車マス、将来は一定時間以上利用時の有料化を検討

高速SA・PAの駐車マス、将来は一定時間以上利用時の有料化を検討

運営会社などが整備方針、ダブル連結トラック用の設置拡充

東日本、中日本、西日本の高速道路運営3社と本州四国連絡高速道路、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構は12月26日、「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する整備方針」を策定したと発表した。

SAやPAが混雑し、大型トラックが駐車できずドライバーが十分休養を取れないことが問題となっているのを踏まえ、SA・PAの駐車マスを拡充する方針を強調。短期的な対策として、レイアウト変更や園地部の活用、短時間限定駐車マスの施行導入、ダブル連結トラック用の予約駐車マス追加、SNSを活用した適正な駐車マス利用の呼び掛けなどを図る方針を打ち出した。

併せて、中長期的な対策では、本線や高速道路外のSA・PA新設を検討するほか、一定時間以上利用する場合の有料化も視野に入れることを盛り込んだ。

EV(電気自動車)普及に貢献するため、急速充電器の配備を進める方針にも触れている。

整備方針は、2018年度以降、大型車の駐車マス拡充に取り組み、22年度までに約3000台分を確保、全国で約3万台分に上ったと明らかにした。

同時に、大型車用の駐車マスを普通車が使ったり、逆にトラックが普通車用の駐車マスや通路に駐車したりと、適正ではない利用が見られることを問題視。今後は、SA・PAの敷地内で駐車マスを増設するのが難しい場合、中長期的に、SA・PA隣接地の拡張や駐車場の立体構造化を検討することを提示した。

また、海外の事例を参考に、複数隊列式駐車場やコンパクト駐車場といった、駐車の容量を最大化・最適化できる方式を採用する可能性にも触れている。

複数隊列式駐車場の導入や立体構造化については2024年度から検討する方針を盛り込んだ。

短時間限定の駐車マスは、今年秋に実証実験を始めており、その結果を踏まえ、24年度以降、設置の拡大を検討するとの流れを表明。将来は混雑しているSA・PAについて、長距離の利用者に配慮しながら、一定時間以上の全ての利用を有料化することも念頭に置くことに言及した。

さらに、ダブル連結トラックの利用促進に向け、対応した駐車マスの整備に加え、シャワー施設や24時間営業店舗などリフレッシュできる設備の普及を図ることも列挙している。

EVの急速充電器は、政府が打ち出している整備方針を踏まえ、おおむね70km以上の間隔が開かないよう配備することなどを示している。

(藤原秀行)

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