トヨタ・豊田会長、グループの不正「深くおわび、自身が変革責任者に」

トヨタ・豊田会長、グループの不正「深くおわび、自身が変革責任者に」

新ビジョン発表会見、会社作り替えるくらいの覚悟が必要と強調

トヨタ自動車の豊田章男会長は1月30日、名古屋市内で記者会見し、トヨタグループが重視する価値などを表した「ビジョン」を公表した。

会見で豊田会長は最近、グループのダイハツ工業と豊田自動織機で相次ぎ製品の安全性能に関する国の認証を不正に取得した問題が発覚したのを受け「お客様をはじめステークホルダーの皆様にご迷惑、ご心配をお掛けしていることを深くおわび申し上げる」と謝罪した。

その上で、自身が責任者となり、グループ全体で不正行為からの脱却と再発防止のための組織変革を図っていく姿勢を強調した。


会見する豊田会長(トヨタ自動車提供)

ビジョンはトヨタを含むグループ17社で共有。「次の道を発明しよう」と、より優れた製品を生み出す「発明」が原点と明示した上で、個々の従業員が持つべき心構えとして「誰かを思い、力を尽くそう。」「仲間を信じ、支えあおう。」「技を磨き、より良くしよう。」「誠実を貫き、正しくつくろう。」「対話を重ね、みんなで動こう。」を列挙している。

当初はトヨタ創始者・豊田佐吉氏が生まれた2月14日にビジョンを発表する予定だったが、グループ会社の不正が続発しているのを受け、前倒ししたという。


会見で謝罪する豊田会長(オンライン中継画面をキャプチャー)

豊田会長はダイハツや豊田自動織機の不正について「やってはいけないことをやってしまったので、会社を作り替えるくらいの覚悟でやらないと駄目だと思う」と指摘。同時に「今までやってきた仕事が無駄にならない、(従業員に)この会社でよかったと思ってもらえるような変革の仕方を探していくことが、私が責任者としてやっていくべきことではないか」との見解を示した。

かつてトヨタでリーマンショックの影響による創業以来初の赤字転落、大規模なリコール発生といった問題が起きてきたことを振り返り、「創業の原点を見失っていた。それはトヨタだけではなかった。(ダイハツや豊田自動織機で)同じことが起きている。原点を見失っているというところだと思う」との見解を示した。

ダイハツや豊田自動織機の不正に対する自身の責任を問われたのに対し、豊田会長は「社長として14年間やってきた時は平穏無事ではなかった。まず赤字で社長職を引き継ぎ、リーマンショック、リコール問題、東日本大震災、(サプライチェーンが大混乱した)タイの洪水と危機の連続があり、正直ゆとりがなかった。トヨタをなんとか立ち上がらせるだけでせいいっぱいだった。(ダイハツや豊田自動織機を)見てなかったというより見れなかった」との思いを吐露。

会長職になったことで時間に余裕ができたことを明らかにするとともに、「どう会社を元に戻してきたかという経験は、トップの相談相手としては頼りになる存在になるのではないかと思っている」と述べ、グループ各社の経営体制変革を後押ししていく姿勢を示した。

一方、「信頼を取り戻すには時間がかかると思う。ゴールがいつになるかは分からない」との思いも語った。

今後の対応について、グループ17社が今年6月に開く定時株主総会に、株主として出席し、各社と意見交換する構想を明らかにした。

(藤原秀行)

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