国内初、LNGを燃料に用いるケープサイズバルカーが竣工

国内初、LNGを燃料に用いるケープサイズバルカーが竣工

日本郵船が建造発注、JFEスチール向け鉄鉱石・石炭輸送に投入

日本郵船は1月31日、建造発注していたJFEスチール向けのLNG(液化天然ガス)燃料ケープサイズバルカー(載貨重量トン数12万トン以上のばら積み船)が竣工したと発表した。ジャパンマリンユナイテッド津事業所(三重県)で1月30日、命名式を開催した。

日本郵船によれば、本船は国内の造船所で竣工した初のケープサイズのLNG燃料バルカーという。JFEとの長期連続航海傭船契約に基づき、オーストラリアから日本への鉄鉱石や石炭の輸送に投入する予定。海運領域の脱炭素化を促進する。

本船は低・脱炭素に向けた日本郵船の価値創造のブランド「Sail GREEN」の「SG」と、大海の環境を守りながら堂々と航行する様子をイメージして、「SG OCEAN」(エスジー・オーシャン)と命名。

LNG燃料を使うことで、従来の重油焚き船より硫黄酸化物(SOx)の排出量をほぼ100%、窒素酸化物(NOx)を約75%、CO2を約25%削減できるとみている。

国際海事機関(IMO)のNOx3次規制に対応可能。世界的な舶用エンジン設計会社のWinGDによる最新の二元燃料低速ディーゼル機関「7X62DF-2.1 iCER」を採用し、LNG燃料使用時に出るメタン分を半減させる。

LNG燃料タンクと供給システムの装備・配置を工夫し、従来同等の貨物ホールドの容積や積載可能数量を確保している。


本船「SG OCEAN」(日本郵船提供)

本船概要
全長:299.99メートル
型幅:50.00メートル
型喫水:25.00メートル
載貨重量トン数:210000トン
発注先:ジャパンマリンユナイテッド株式会社

(藤原秀行)

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