オートロック物件でも使える「スマート置き配」、利用は34%で認知拡大が課題

オートロック物件でも使える「スマート置き配」、利用は34%で認知拡大が課題

UR賃貸住宅でライナフがアンケート、対応物件好感の傾向

独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)中部支社と認証された配達員のみが入館できる仕組みを使いオートロック付きマンションで置き配を利用可能にする「スマート置き配」サービスを提供しているライナフは2月6日、置き配サービスの利用実態の把握などのため、大規模なアンケート調査を実施したと発表した。

調査は昨年10~11月、「スマート置き配」を導入している名古屋市内の64棟・5150戸のUR賃貸住宅を対象に行い、1400件超の回答を得た。

置き配について、「利用した」が全体の34%、「サービスは知っているが利用したことはない」が18%、「サービスを知らなかった」が48%となり、置き配の認知自体が進んでいないことを示唆した。

これまで置き配が導入されていることを知らなかった居住者に、置き配利用について尋ねたところ、「使ってみたい」が61%、「もう少し知ってから検討したい」が28%、「使用したくない」が11%となり、一定程度の関心があることをうかがわせた。

一方、アンケート調査前の置き配サービスのイメージを尋ねたところ、「盗難が心配」「セキュリティが心配」の声が挙がった。

また、「置き配」利用者のうち、「再配達が減った」と回答した割合は97%に達した。

置き配サービスを利用した理由については、「配達予定日時に在宅していなくてもよい」が最も多く、「再配達の依頼が面倒」「再配達を待つ時間がもったいない」「荷物の受け取りが楽になる」などと続いた。ライナフは「タイムパフォーマンスを重視していることが見受けられた」との見方を示した。

宅配ボックスが設置されている住戸の居住者2565戸に、「宅配ボックスは足りているか」を尋ねたところ、回答した765戸のうち68%が十分だと感じていると答えた。

十分だと答えた居住者に対して「置き配サービスを利用したことがあるか」を聞くと、「利用した」が42%、「サービスを知っているが利用したことがない」が21%だった。宅配ボックス設置が十分と感じている居住者でも3人のうち2人は「置き配」を利用したと回答していることから、ライナフは「宅配ボックスがあっても、玄関先まで荷物を届ける置き配サービスの利用ニーズがあることが判明した」と分析している。

「置き配」利用者のうち、次に住む物件も置き配対応が良いかを聞いたところ、81%が「良い」を選択した。

「今後置き配で利用したいサービス」の設問では、多い順にEC(日用品)、ギフトなど宅配便、EC(食料品・アルコール)、ネットスーパー(日用品)、EC(家具・家電)となった。日用品、食料品に加えて家具や家電でも置き配を利用したいニーズがあることを示唆した結果となった。

(藤原秀行)※いずれもライナフ提供

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