日本郵船、洋上風力発電向け作業員輸送船を国内造船所に初発注

日本郵船、洋上風力発電向け作業員輸送船を国内造船所に初発注

25~26年の竣工見込む

日本郵船は2月20日、洋上風力発電向け作業員輸送船(CTV、 Crew Transfer Vessel)1隻を小鯖船舶工業(岩手県釜石市)に発注したと発表した。

本船は日本郵船が初めて、国内の造船所に発注するCTVで、2025年後半から26年にかけて竣工した後、日本国内の洋上風力発電設備の建設と保守に関わる作業員輸送に投入する予定。

CTV船隊の拡充により持続可能なエネルギーの普及に積極的な役割を果たすとともに、日本の造船業や舶用工業の活性化と、地域産業の発展と雇用創出につなげていきたい考え。


本船のイメージ図(プレスリリースより引用)

本船は日本郵船が保有する3隻目、日本国内での保有としては23年4月に竣工し北海道の石狩湾新港洋上風力発電所に従事する「RERA AS」(レラアシ)に次ぐ2隻目のCTV。

洋上風力発電設備に長期間従事するCTVは高速航行性能や安定性、快適な居住空間など高い移送能力を備えた船型が求められる。本船には20年に提携したスウェーデンのNorthern Offshore Group(ノーザン・オフショア・グループ)子会社で欧州最大手のCTV運航船社の1つ、Northern Offshore Services(ノーザン・オフショア・サービシズ)が欧州域内で運航している船型を採用する。

この船型を日本郵船の基幹船型とすることを目指し、国産化を実施する。

日本国内では26年頃から洋上風力発電設備の建設が本格化すると見込まれ、CTVの需要拡大が予想されている。日本郵船は現行の中期経営計画で26年度までに洋上風力バリューチェーンに430億円の投資を行う計画を盛り込んでおり、本船の建造もその一環。今後も国内造船所へのCTV発注を継続検討する。

本船概要(予定)
全長:約28メートル
型幅:約9メートル
総トン数:約145トン
乗客定員数:12名
建造造船所:株式会社小鯖船舶工業(岩手県釜石市)
株式会社小鯖船舶工業ウェブサイト https://kosabasenpaku.co.jp/

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事