自家用車の有料荷物運送、「繁忙期」→「通年」で最大90日稼働可能に規制緩和へ

自家用車の有料荷物運送、「繁忙期」→「通年」で最大90日稼働可能に規制緩和へ

国交省が24年問題など考慮、25年1月施行予定

国土交通省は2月26日、「白ナンバー」の自家用車を使って有料で荷物を運送する場合の規制を緩和し、通年で実施できるようにする方針を明らかにした。

現在は道路運送法に基づく通達により、許可を得た運送事業者がお中元やお歳暮などの取り扱いが増える繁忙期に限り、1車両当たり最大90日稼働させることを認めている。今後は繁忙期に限定せず、1年の中で通算最大90日稼働させられるようにする。

「2024年問題」でトラックドライバー不足が深刻化しているのを受け、より柔軟に自家用車で輸送できるようにして物流業界を支援したい考え。

国交省が2月27日、通達の改正案について3月27日までの予定でパブリックコメント(一般からの意見募集)を開始した。集まった意見を踏まえ、2025年1月に通達の改正を施行したい考え。

自家用車を使った有料の荷物運送はメーンの用途として営業拠点から住宅などへ荷物を届けるラストワンマイル配送のサービスを想定しており、運送事業車が保有している「緑ナンバー」の車両数と同じ台数の範囲内で実施可能。

繁忙期は毎年の春期(3月10~31日、4月20~30日、5月6~15日)、夏期(6月15日~8月12日)、秋期(8月13~11月9日)、年末(11月10日~12月31日)の4つの時期を設定。この中で運送事業者が車両ごとに最大90日を任意で選んでいる。

この規制を見直し、通年で最大90日を選べるようにする。

国交省は21年にも、宅配荷物の増加や人手不足を踏まえ、繁忙期に春期を追加し、申請手続きの合理化も図るなど通達の改正を実施した。

(藤原秀行)

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