周辺の建物形状や位置を正確に把握、安全性確保サポート
自動運転など向けに高精度の3次元地図データを提供しているダイナミックマッププラットフォーム(DMP)と、グループで高精度3次元データを活用した新規事業の創出を手掛けるダイナミックマッププラットフォームAxyzは3月1日、DMPの「HDマップ(高精度3次元地図)」を利用した「除雪支援システム」(SRSS)のサービス提供を開始したと発表した。
Axyzは豪雪地帯の除雪の負荷軽減を作業ノウハウのDX化で果たすことを目指し、HDマップと高精度の自己位置推定が可能な「RTK測位」を組み合わせたSRSSの実証実験を進めてきた。SRSSを使うことで、除雪の際、雪に埋もれている周辺の建物の形状や位置を正確に把握、安全に作業を行えるようサポートする。
2023年度から岩手県の地場建設会社、高福組(八幡平市)にサービス提供を開始。八幡平市の県道23号大更八幡平線(通称・八幡平アスピーテライン)で除雪難易度の高い冬季閉鎖道路の春先除雪作業に活用する。
「SRSS」画面
アスピーテラインでの除雪作業の様子
福島県昭和村では22年年度、幅の狭い生活道路や農道でSRSSを有効に使えるかどうか確認を開始。23年度も引き続き、現場の除雪オペレータの意見を反映して改良を施したSRSSのシーズンを通した利用により、除雪作業におけるSRSSの有効性をチェックしている。
昭和村での除雪作業の様子
今後Axyzは、SRSSのサービス提供を拡大し、除雪作業時の物損事故・労災事故の防止、道路上の構造物などの自治体管理財産の保護に寄与、持続可能な除雪作業の実現をサポートすることで、豪雪地帯における除雪作業の課題解決に貢献していきたい考え。
(藤原秀行)※いずれもダイナミックマッププラットフォームAxyz提供