20年のONEコンテナ船荷崩れ事故、針路変更で船体がうねりの影響受けやすい角度に

20年のONEコンテナ船荷崩れ事故、針路変更で船体がうねりの影響受けやすい角度に

運輸安全委が報告書、全体の4割がダメージ

運輸安全委員会は2月29日、2020年11月30日~12月1日に米ハワイ諸島沖合で荒天に遭遇、荷崩れでコンテナが大量に海へ落下したオーシャンネットワークエクスプレス(ONE)運航のコンテナ船「ONE APUS(ワンアーパス)」の事故に関する調査報告書を公表した。

荷崩れが2回発生し、この事故で積載していたコンテナ7016個のうち1841個が海に落ち、残ったコンテナも983個が損傷。コンテナ全体の約4割にダメージを受ける大きな被害が出たが、船長と乗組員計24人に死傷者はいなかったと説明。

原因として、船長が針路変更を指示した結果、船体が海のうねりの影響を受けやすい角度になったことなどで船体が大きく傾き、荷崩れが発生したと考えられると指摘している。


事故による被害の様子(運輸安全委員会事故調査報告書より引用)

ONEの説明によると、ONE APUSは中国広東省深圳の塩田港からロングビーチ港を目指していたが、事故を受けて神戸港の六甲アイランド岸壁に接岸した。

報告書によると、1回目の荷崩れは夜間で海の状態を適切に把握できなかったため、危険な角度になった可能性が大きいと推察。2回目はその時点の針路と速力を維持すれば安全に航行できると船長が判断したためとみている。

当時は、船の横揺れと海のうねりが重なり、揺れが大幅に大きくなる「パレメトリック横揺れ」が置きやすい状況だったという。

関係者は再発防止のため、パラメトリック横揺れの発生を適切に回避できるよう乗組員に指導することなどの対策を講じた。

(藤原秀行)

報告書はコチラから(事故調査委員会ホームページ)

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