過去の類似事例を即座に特定、数値基に指導・教育可能と想定
鈴与は3月11日、物流現場の安全性確保やサービス品質向上のため、ビジネスエンジニアリング(東京都千代田区大手町)の自然言語解析技術を活用したデータマイニングシステムを導入したと発表した。安全品質などの現場教育に活用する予定。
両社は大量の過去帳票から類似した帳票を即座に特定することができるようになるため、新たに対策を立案する際に要する業務負荷を軽減し、経験値ではなく数値を基に判断して、指導や教育ができるようになると想定。安全・品質対策を的確かつスピーディーに立案、現場教育に生かしていけると期待している。
鈴与は2018年、ビジネスエンジニアリングが手掛けるiPad利用ソフトウェア「mcframe RAKU-PAD」を導入し、「ヒヤリハット」「事故報告」「リスクアセスメント」「巡視活動」のデータをデジタル化。全国の物流拠点と共有してきた。全国から集約したデータを蓄積する中で、類似する「ヒヤリハット」や「事故」が各拠点で発生していることや、現場管理者が立案する事故対策の精度に差が生じると事故発生率にも影響していることが判明した。
データをビジネスエンジニアリングが分析した結果、事故の危険度を探索して対策の有効性を導き出し、PoC(概念実証)を実施することにより、自然言語解析技術が安全品質管理プロセスの高度化に役立つと判断。データマイニングシステムを活用することにした。
データマイニングシステムによって実施される事項
・内容が類似している「ヒヤリハット」「事故報告」の帳票を検出・再発事象を確認し、予防策を提案する
・「ヒヤリハット」「事故報告」への有効な対策事例を検出・他物流センターへ展開する
・各帳票の内容や対策に頻出するキーワードから、その危険度を示唆する
・ヒヤリハットや事故の発生件数・割合について、事故予防~事故発生~事故対策の時系列に沿って把握する。また、作業者の経験年数別に把握する
(藤原秀行)