ANA、2024年問題対応で昼間帯限定の割安な貨物輸送「コンテナバリュー運賃」新設

パレット1枚分をそのまま搭載可能、羽田発着の6路線でスタート

全日本空輸（ANA）は3月25日、国内の貨物輸送に関し、旅客定期便を使った昼間帯限定の割安な「コンテナバリュー運賃」を新設すると発表した。4月1日搭載分から適用する。

昼間帯の床下貨物空きスペースを有効活用し、航空コンテナ単位で貨物を輸送。「2024年問題」への対応として提案する。まずは羽田空港発着の新千歳、伊丹、福岡空港を結ぶ6路線からスタートし、利用状況を見ながら対象の拡大を検討する。

航空貨物の多くは、発送手続きや集荷作業などを日中に済ませ、夜間や早朝の便で輸送されるのが一般的なため、昼間帯の国内旅客定期便の貨物室スペースの利用率は重量ベースで約20%にとどまっている。

ANAは空きスペースを活用することで、年間約100万t分の貨物を追加で運べると試算、2024年問題対策のニーズを埋めるのに使えると判断した。

対象はコンテナ搭載が可能な中大型機が安定的に運航する羽田空港発着の新千歳、伊丹、福岡空港を結ぶ昼間帯に一般貨物運賃を利用する企業・個人。コンテナ単位での運賃設定により、トラック1台に満たない荷量を幹線輸送する際にも、無駄なく輸送できると想定している。

コンテナ1台当たりの定額料金となり、コンテナ積載率を上げるとよりコストダウンを図ることが可能。対象となるコンテナは、物流業界で広く普及している「標準パレット」がそのまま1枚分納まるLD3コンテナで、パレットそのまま搭載できるようにし、円滑な輸送を実現する。コンテナ単位の輸送では他社貨物と混載されることがないため輸送中の破損や紛失などのリスク軽減も図ることができると見込む。

【概要】

1.開始日：2024年4月1日（月）搭載分より
※予約受付は搭載予定日の1週間前から前日まで （予約開始は2024年3月25日（月）9時）
2.対象：一般貨物運賃利用の企業・個人

（藤原秀行）※いずれもプレスリリースより引用