著しいコスト上昇時に下請け代金据え置き、法違反の可能性

著しいコスト上昇時に下請け代金据え置き、法違反の可能性

公取委が運用基準改正へ、価格転嫁後押し狙い

公正取引委員会は4月1日、下請け法の運用基準に関する改正案を公表した。

下請け法で禁じている、業務委託先に通常支払われる対価より不当に安く代金を抑える「買いたたき」について、新たに人件費や原材料価格、エネルギーコストが著しく上昇しているにもかかわらず、下請け代金を据え置くことが法律違反になり得るとの考えを明確に定めている。

これまではコスト上昇に関する詳細な記述がなかった。物価上昇が続く中、中小企業の間でコスト上昇分の代金への転嫁をより促していく狙いがある。

公取委は一般からの意見募集(パブリックコメント)を4月30日まで実施した上で、5月中にも改正内容を正式決定したい考え。

改正案は、最低賃金の上昇率や春闘の妥結内容など「経済の実態が反映されていると考えられる公表資料」でコストの著しい上昇を把握できる場合、下請け代金を据え置くことは買いたたきに相当する可能性があるとの見解を明確化している。

(藤原秀行)

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