【現地取材・動画】ファッションECのパル、新センターでエグゾテック製倉庫自動化システム採用

【現地取材・動画】ファッションECのパル、新センターでエグゾテック製倉庫自動化システム採用

2.5万ケース格納し出荷能力3倍、「2024年問題」や人手不足考慮し迅速化

婦人服・紳士服・雑貨などの製造・販売を手掛けるパルは4月3日、神奈川県平塚市で新設した物流センター「PAL_CLOSET_Robotics_Solution_Center(パルクローゼット・ロボティクス・ソリューション・センター」をメディアに公開した。

パルは約50のブランドを取り扱い、全国に1000近くの店舗を構えているほか、ECサイト「PAL CLOSET(パルクローゼット)」にも注力している。新センターはEC向け商品がメーンだが、店舗向けの商品も取り扱っており、全国に出荷している。

事業拡大に向けピッキングや在庫管理などの業務を効率化・省人化するため、積極的に自動化を図っているのが特徴だ。「2024年問題」が本格的にスタート、現場の荷待ち時間解消や荷役作業時間短縮が急務になっていることも考慮している。

大和ハウス工業が開発した物流施設「DPL平塚」の3階フロアの大半を同社グループで3PLサービスを担うアッカ・インターナショナルが賃借、その一角でパル向けの物流サービスを請け負っている。パルは既存の複数のセンターを集約した。

約2300㎡を使い、アッカのWMS(倉庫管理システム)などと、フランスの新興ロボットメーカーExotec(エグゾテック)製倉庫自動化システム「Skypod(スカイポッド)」を連動させ、ピッキングの大幅な省力化と出荷の迅速化を実現。EC向けと店舗向けの配送を同時に処理している。


ExotecのSkypod


商品入りケースを運ぶロボット


Skypodの概要

Skypodのシステムは3次元の立体走行自動搬送ロボットが自動倉庫の中を前後左右上下に走行し、積み重ねた専用ラックに収めている「ビン」と称する保管コンテナから必要なアイテムが入ったものを取り出し、作業者の手元まで自動搬送する。ピッキングが終われば、再び元の位置に戻している。

パルのセンターでは高さ約5mのラックに約2万6000個の保管コンテナを収納、ロボットは約50台が稼働している。Skypodなどを運用することで、1日当たりの出荷数は既存拠点の3倍まで高められると見込む。


専用ラックの間を縦横無尽に移動するロボット


商品のピッキングエリアに集まるロボット

現地で会見したパルの堀田覚取締役専務執行役員は(WEB事業推進室長など兼務)は、2028年にEC全体で1000億円の売上高達成を目指しており、そのうちPAL CLOSETが半分の500億円程度を占めるとの計画を説明。

これまでの拠点は作業スタッフによるカートピッキングがメーンだったが「人の確保がクリティカルになる中、ECの成長を確実なものにするには省力化が必須」と指摘、自動化の必要性を強調した。


会見後の撮影に応じる(左から)アッカ・インターナショナル・秀洋一社長、大和ハウス工業・村上泰規東京本店建築事業部長、パル・堀田取締役専務執行役員、Exotec Nihon・立脇竜アジアパシフィック地域社長

(藤原秀行)

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