三菱造船、アンモニア燃料供給装置と処理装置の基本設計承認を日本海事協会から取得

三菱造船、アンモニア燃料供給装置と処理装置の基本設計承認を日本海事協会から取得

スイス企業開発のエンジン向け、脱炭素への貢献目指す

三菱造船は4月11日、スイスの舶用大型エンジンライセンサー、ウインターツールガスアンドディーゼル(WinGD)が開発を進めているアンモニア焚き舶用大型低速2ストローク「X-DF-A型」エンジン向けアンモニア燃料供給装置(AFSS)の基本設計承認(AiP)を、日本海事協会から取得したと発表した。

国際海事機関(IMO)が掲げる海事業界の温室効果ガス排出量を2050年頃までにネットゼロとする新たな目標達成を後押しするため、両社はAFSSの技術検討を開始するMOU(覚書)を2023年6月に締結。技術検討を進めた結果、WinGDが開発中の「X-DF-A型」エンジン向けAFSSの基本設計を今年2月に完了した。

アンモニア処理装置(AGAS)のAiPも併せて取得しており、製品化に向けた技術検討をWinGDと引き続き進める構え。


AiP授与式に臨んだ(左から)日本海事協会・ 松永昌樹常務理事技術本部長、三菱造船・上田伸社長、WinGD・ドミニク・シュネイターCEO(最高経営責任者)

燃焼してもCO2を排出しないアンモニアは、海事業界の脱炭素を加速させる燃料として国内外で注目されており、安定的なクリーンエネルギーとしての利用拡大が見込まれている。

三菱造船は今回の「X-DF-A型」エンジン向けをはじめとするさまざまなアンモニア燃料燃焼装置向けの燃料供給装置、アンモニア処理装置などの舶用アンモニアハンドリングシステムの開発を引き続き推進。

並行して。また、アンモニア燃料船および主機関、発電機関、ボイラーといった複数のアンモニア燃料燃焼装置で構成される船内プラントの設計エンジニアリングも併せて提案することで、海事業界の脱炭素化を推進してカーボンニュートラル社会を実現するとともに、世界規模での環境負荷低減に貢献していくことを狙う。


舶用アンモニアハンドリングシステム(MAmmoSS)モジュール

(藤原秀行)※いずれも三菱造船提供

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