オートストア日本トップ・安高氏、自動化設備の需要広がりに手ごたえ
4月10日に大阪市の「インテックス大阪」で開幕した西日本を代表する大型物流展示会「関西物流展」に出展している、自動倉庫システム「AutoStore(オートストア)」を手掛けるノルウェーのAutoStoreの日本法人AutoStore System(オートストアシステム)の安高真之マネージングディレクター(社長)は、会場内でロジビズ・オンラインの取材に応じた。
安高氏はECに加えて、製造業からの自動倉庫システムの引き合いが増えていることを明らかにするとともに、これまで大規模な自動化投資を検討してこなかった企業が導入に動き出していると指摘。他の自動化システムと柔軟に連携できることをオートストアシステムの利点とアピールし、引き続き堅調な需要が見込めるとの考えを表明した。
安高氏
担当者に「ITネイティブ」世代増えてきたことが追い風に
オートストアシステムは今回の関西物流展でオカムラと連携して出展。自動倉庫システム内を縦横に走行し、保管している商品の入出庫を担うロボットの最新バージョン「R5 Pro」を日本で初めてお披露目した。同一の条件であれば従来のオートストアのロボット機種よりも少ない台数で入出庫作業を展開できる上、急速充電に対応し稼働率を高められると想定している。
「R5 Pro」(オートストアシステム提供)
安高氏は「新型コロナウイルス禍による調達難を受けてトヨタ自動車が在庫を持つ方針を打ち出した影響もあり、製造業が在庫を増やす傾向が見られる」と解説。多くの企業で機械設備の耐用年数がオーバーするタイミングも重なっているとの見方を示し、製造業の自動化需要に十分応えていきたいとの決意を見せた。
さらに、「日本はかつて他の先進国と比べた場合には人件費が安く、欧米であれば1~3年程度で回収できる設備投資も、日本では6~7年を要する状況だった」と回顧。「しかし、日本でも人手不足に加えて人件費の高騰、インフレが進み、企業も今後10年を念頭に置くと、少なくとも自動化を検討の選択肢には入れるべきだと考えるようになってきている。大がかりな自動化などほとんど考えていなかった企業が導入を検討されるようになった」と語った。
展示しているオートストア
オートストアシステムでも、ユメノソラホールディングス傘下でマンガやアニメ・同人誌、キャラクターグッズなどの委託流通販売事業を手掛ける虎の穴が千葉県八千代市に移転新設した物流センターにオートストアを導入したことに言及、自動化需要の広がりに手ごたえを感じていることをにじませた。
今後については「物流担当者、システム担当者の中に『ITネイティブ』な世代が増えてきたことも追い風となっている。昔ながらの孤立した設備ではなく、他の自動化システムとの連携が柔軟にできるオートストアは好評をいただいている」と語り、荷主企業や物流事業者がオートストアのような自動化設備を志向する動きが継続的に続くことに大きな期待を寄せていた。
(川本真希、藤原秀行)